豊島岡女子
豊島岡女子学園中学校 算数 問題 解説&入試分析★2020年(R2年)
今回は豊島岡女子学園中学の第一回を扱います。
【入試資料分析】
受験者数986人、合格者数402人
受験者平均は195.61/300
合格者平均は223.36/300
各教科の平均点は(受験者平均点,合格者平均点)の順で
国語(75.29,82.51)
算数(56.52,68.95)
社会(33.14,37.54)
理科(30.67,34.36)
例年と比べると算数は平均点は少し低めとなりました。
【問題分析】
大問1…(1)簡単な計算問題。(2)かなり基本的な問題です。(3)実質は倍数の個数の簡単な問題です。(4)約分されて10/7と考えるので比の問題です。少しややこしいですがしっかりあわせたい。
大問2…(1)ちょっとした文字式の問題です。(2)実際に数えていけばつかめると思います。3桁,1000台が何個あるかという考えに至ると思います。(3)時計算というほどでもない時計の問題。(4)有名な形の平面図形です。最終的に円の面積は消えます。
大問3…(1)(2)問題が複雑でないのでダイアグラムがあまり意味がありません。状況図を書いた方が良いと思います。Bが家から学校まで進むとAは何km進むか?また家から学校までの同じ距離を進んだ時、時間の比は速さの比に反比例します。Bの往復で速さの比がわかっているのでかかった時間の比がわかります。豊島岡はこういう旅人算の練習が必要です。
大問4…(1)(2)平面図形の問題です。一見色々考えないといけないと思いますが、ベンツ切りでだいたい同じように解決するので、しっかり練習しておきましょう。
大問5…(1)(2)(3)見た目に反して単純な問題です。合計を4で割ればPが何周するかわかるし,何周したかを4で割ればQがAに何回ついたかわかります。
大問6…今回はこれを扱います。
(問題)R2 豊島岡女子学園中学 算数 大問6
下の<図1>のように,1辺の長さが10cmの立方体ABCD-EFGHがあります。辺BC,CD,DAの真ん中の点をそれぞれL,M,Nとするとき,次の各問いに答えなさい。
(1)4点L,N,H,Gを通る平面で立方体ABCD-EFGHを切り,2つの立体に分けます。<図2>は2つの立体のうち頂点Eを含む立体です。その中に,はみ出ないようにできるだけ大きい立方体を,1つの頂点が点Eと重なるように置きます。このとき,その立方体の1辺の長さを求めなさい。
(2)3点L,M,Gを通る平面で立方体ABCD-EFGHを切り,2つの立体に分けます。<図3>は2つの立体のうち頂点Eを含む立体です。その中に,はみ出ないようにできるだけ大きい立方体を,1つの頂点が点Eと重なるように置きます。このとき,その立方体の1辺の長さを求めなさい。
(3)下の<図4>のように,辺AD,BC上にそれぞれ点P,Qを,DPとCQの長さが等しくなるようにとります。3点Q,M,Gを通る平面と3点P,M,Hを通る平面で立方体ABD-EFGHを切り,3つの立体に分けます。<図5>は3つの立体のうち頂点Eを含む立体です。その中に,はみ出ないようにできるだけ大きい立方体を,1つの辺が辺EFと重なるように置きます。その立方体の1辺の長さが8cmであったとき,元の立方体のDPの長さを求めなさい。
[解説]
(1)
図の赤い直角三角形は直角を挟むに辺の比は10:5=2:1なので
相似な青い直角三角形の図の2辺の長さが[2]と[1]とおけます。
立方体の一辺の長さは[2]+[1]=10cmなので
[2]=20/3cm
とわかりました。
(2)
図のように立方体の1つの頂点はオレンジのラインにあるはずです。
これを面BLFGから見て正射影すると赤い直角三角形は直角を挟む2辺の比は4:1となるので掃除な青い直角三角形の辺の長さも図のように[4]と[1]とおけます。
立方体の1辺の長さは[4]+[1]=10cmなので
[4]=8cm
とわかりました。
(3)
中にできる1辺の長さ8cmの立方体の上面を通る平面で切ることを考えると赤い部分のようになります。
元々の立方体と中にできる立方体の高さを考えると
三角形MGHにおいてMI:MH=(10-8):8=1:4
なのでIJ=2cmとわかります。
この赤の断面を考えると青い直角三角形は直角を挟む2辺の比が2:3なので
オレンジの直角三角形も相似なので
4×2/3=8/3
と図の長さがわかります。
よってDPの長さはMI:IH=1:4だったので
8/3×5/4=10/3cm
とわかりました。
空間図形であっても平面におとして考えていくのがポイントになっていきます。
よく練習しておきましょう(畠田)
豊島岡女子学園中学校 算数 問題 解説&入試分析★2018年(H30年)
豊島岡女子学園中学校第1回の問題をとりあげます。
旅人算の難易度が高めの問題です。
(問題)H30年 豊島岡女子学園中学第1回 大問4
家と公園の間に図書館があります。AさんとBさんが家から公園までそれぞれ一定の速さで歩きます。Aさんは,家から公園まで20分かかります。Aさんが家から図書館まで歩くのにかかった時間と,Bさんが図書館から公園まで歩くのにかかった時間の合計は22分です。また,Bさんが家から図書館まで歩くのにかかった時間と,Aさんが図書館から公園まで歩くのにかかった時間の合計は23分です。このとき,次の各問いに答えなさい。
(1)Bさんが家から公園まで歩くのにかかった時間は何分ですか。
(2)Aさんが家から図書館まで歩くのにかかった時間は何分ですか。
(3)AさんとBさんが家を同時に出発し,また同時にCさんが分速360mで走る車で公園を出発し家へ向かいました。また,BさんはAさんとCさんが出会った地点を,AさんとCさんが出会ってから1分後に通過しました。家から公園までの距離は何kmですか。
(1)
線分図で足したり引いたりして、B:家→公を作ります。
Aは赤,Bは青です。
かかる時間で考えて
{(A:家→図)+(B:図→公)}+{(B:家→図)+(A:図→公)}-(A:家→公)=22+23-20 分
より
(B:家→公)=25 分
(2) (1)の問題から家→公までAは20分,Bは25分より同じ距離を歩くときの時間の比は
A:B=20:25=4:5
となります。
家→図までのAのかかる時間ですが,和や差で考えるとうまくいくことがあります。
{(B:家→図)+(A:図→公)}と(A:家→公)の差は(A:家→図)と(B:家→図)の差になります。家→図の同じ距離より,それぞれかかった時間をAは④,Bは⑤とおけて
23-20=3分が⑤-④=①に等しいので①=3
よってAさんが家から図書館まで歩くのにかかった時間は④=3×4=12分とわかりました。
(3)まず同じ時刻は同じ記号で状況図を書いて整理してみます。
準備としてAとBの速さの比を求めておくと,家→公までにかかった時間の逆比で
A:B=20:25=4:5
同じ時間であれば,距離は速さの比になります。
Cは紫です。
すると⑤-④=①の部分がBが1分で進む距離に相当します。
と言うことはB:○→△まで④はBの4分相当より○→△の時間は4分です。
これでC:○→△の距離は360×4=1440mとわかります。
B:家→公は距離㉕,A:○→△は距離⑤より,C:○→△は距離㉕-⑤=⑳
よって⑳=1440なので家から公園までの距離は
1400×25/20=1800m
つまり1.8kmとわかりました。
旅人算のレベルが高めの考え方、道具を使うので勉強するのにも良い問題です。
しっかり勉強していけば報われます!(畠田)
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