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東大寺学園中学校 算数 2018(H30)入試分析 その1
今回は東大寺中学を扱います。
受験者数 791名→834名→894名→911名
合格者数 325名→347名→364名→373名
実質倍率 2.43 →2.40 →2.46 →2.44
倍率は例年通りです。
算数は受験者平均は
51.9点→62.4点→53.4点→53.8点
で去年と同じ程度です。
大問4番は難しいですが、敢えて大問4番を扱いと思います。
(問題)H30 東大寺学園中学校 算数 大問4番
白石○と黒石●を何個か横一列に並べて,次のルールで得点を決めました。○がちょうど2個続いた部分があればその部分に1点,ちょうど3個続いた部分があればその部分に2点,ちょうど4個続いた部分があればその部分に3点,…と決めて,●に関しても,●がちょうど2個続いた部分があればその部分に1点,ちょうど3個続いた部分があればその部分に2点,ちょうど4個続いた部分があればその部分に3点,…と決めて,その合計を得点とします。例えば,
というように得点が決まります。次の問いに答えなさい。
(1) ① ○と●を合計3個並べるときの並べ方は全部で8通りありますが,それらの中で真ん中の石の色だけが異なる並べ方を表のように組にしました。ア組,イ組,ウ組,エ組それぞれについて,2つの並べ方の得点の差を答えなさい。
② ○と●を合計6個並べて得点を求めた後,左から2番目に並んでいる石と右から2番目に並んでいる石を互いに交換しました。最初の得点と石を交換した後の並べ方の得点との差としてありえるものをすべて答えなさい。
(2) 左端の石と右端の石がどちらも○であるように,○と●を合計8個並べました。そのときの得点としてありえるものをすべて答えなさい。
(3) 左端の石が○であるように,○と●を合計10個並べて得点を求めた後,右端の石以外の石の中から2個の石を選んで互いに交換したところ,得点が3点増加し偶数の得点となりました。そこからさらに左端の石と右端の石を互いに交換しましたが,そのとき得点は変化しませんでした。
① 最初に並べたときの右端の石の色を答えなさい。
② 最初に並べたときの右から2番目の石の色を答えなさい。
③ 最初に並べたときの得点としてありえるもののうち,最も高いものを答えなさい。
④ 最初に並べたときの得点が,③のときの得点だったとすると,最初に並べたときの並べ方としてありえるものは全部で何通りありますか。
(1)① まずは実際やってみましょう。
これは後に続く問題の誘導になっていますが、実際やってみて問題を把握できる誘導でもあります。
ア組
○○○は2点
○●○は0点
よって差は2点
イ組
○○●は1点
○●●は1点
よって差は0点
ウ組
●○○は1点
●●○は1点
よって差は0点
エ組
●○●は0点
●●●は2点
よって差は2点となりました。
② 石を置き変えたときに、点数の増減に影響するのは隣の石だけなので
左3個と右3個に分けて考えたらよいことになります。
①を参考にして増える場合だけ考えれば十分なので
左3個:+2 右3個:+2
例 ○●○|●○●→○○○|●●●
2+2=4点の差
左3個:+0 右3個:+2 または左3個:+2 右3個:+0
例 ○●●|●○●→○○●|●●●
0+2=2点の差
左3個:+0 右3個:+0
例 ○●●|○○●→○○●|○●●
0+0=0点の差
なので0,2,4点とわかりました。
(2) 4つで実験的に考えると
○○○○ 3点
○○○● 2点
○○●○ 1点
○●○○ 1点
●○○○ 2点
○○●● 2点
○●○● 0点
●○○● 1点
○●●○ 1点
●○●○ 0点
●●○○ 2点
○●●● 2点
●○●● 1点
●●○● 1点
●●●○ 2点
すると○か●ではなく同じ石が続くか?違う石に切り替わる?がポイントと気づいてくるかもしれません。
左の石と同じ石が置かれていることをA,左の石と違う石が置かれていることをBと書くと
○○○○ AAA3点
○○○● AAB2点
○○●○ ABB1点
○●○○ BBA1点
●○○○ BAA2点
○○●● ABA2点
○●○● BBB0点
●○○● BAB1点
○●●○ BAB1点
●○●○ BBB0点
●●○○ ABA2点
○●●● BAA2点
●○●● BBA1点
●●○● ABB1点
●●●○ AAB2点
となりAの個数が点数になることがわかります。
左端の石と右端の石がどちらも○であるには左の石と違う石が置かれたBの回数が偶数回でないといけなくて,
かつ合計8個並べるということはA,Bは7個並びます。
すると考えられる場合は
Aが1個,Bが6個の1点
Aが3個,Bが4個の3点
Aが5個,Bが2個の5点
Aが7個,Bが0個の7点
で1,3,5,7点とわかりました。
(3)① まず右端の石の色は,Bが奇数回なら左端の石の色と逆,Bが偶数回なら左端の石の色と同じです。
かつ合計10個並べるのでAとBは合わせて9回です。
3点増加すると点数が偶数になったということは,最初の点数は奇数でAは奇数回,Bは偶数回です。
よって右端の色は左端の色と同じで白色とわかります。
② (1)より隣同士または両端を含む場合以外の交換では0,2,4点の差になるので3点増加するのは隣同士または両端を含む場合の交換になります。
隣同士の交換は
BB→ABで+1点
例えば○[●○]…→○[○●]…
BA→BAで+0点
例えば○[●●]…→○[●●]
AB→BBで-1点
例えば○[○●]…→○[●○]…
AA→AAで+0点
例えば○[○○]…→○[○○]…
で3点増加は無理です。
と言うことは端を含む交換となります。
A→Bで-1点
例えば[○]○…→[●]○…
A→AとB→Bは+0点なので省略
B→Aで+1点
例えば[○]●…→[●]●…
なので左端+1点、もう片方は+2点となれば+3点となります。
よって
[○]●…○[●]○…→[●]●…○[○]○…
の交換であったことがわかります。
この時点で左端の石は●,右端の石は○です。
この二つを交換すること考えると
左端は
[●]●…→[○]●…
で-1点
右端は
…●[○]→…●[●]のとき
は+1点
…○[○]→…○[●]のとき
は-1点
より点数がかわらないのは右端が+1点となる場合で右から2番目の石は黒色とわかりました。
③ 今までわかっていることを整理すると最初の並びは
○●…○●○…●○
でBは少なくとも6回以上で、偶数なので
(A,B)=(3,6),(1,8)
の2パターンの3点と1点です。
よって最も高いのは(3,6)の場合の3点です。
④ Aが3回,Bが6回で○●…○●○…●○の形になるには
B∨B∨BB∨B∨B
で∨の箇所のところにAを3回分入れることになります。
4箇所の∨に入れるAの回数は
(0,0,0,3)
(0,0,1,2)
(0,0,2,1)
(0,0,3,0)
(0,1,0,2)
(0,1,1,1)
(0,1,2,0)
(0,2,0,1)
(0,2,1,0)
(0,3,0,0)
(1,0,0,2)
(1,0,1,1)
(1,0,2,0)
(1,1,0,1)
(1,1,1,0)
(1,2,0,0)
(2,0,0,1)
(2,0,1,0)
(2,1,0,0)
(3,0,0,0)
の(4+3+2+1)+(3+2+1)+(2+1)+1=10+6+3+1=20通りとわかります。
*4箇所の部分から重複を許して3つ選べばいいので4H3=6C3=(6×5×3)÷(3×2×1)=20通り
試験時間内に考えて解き切るのは難しいですが,きっちり論理的に解ける問題です。
小問で誘導されている,実験してみる,間に注目するなど問題の取り組み方,難しい条件整理/操作の問題で使う考え方が扱われているので勉強してみるのには良い問題です。
そして本番に小問がいくつか解けるようになればグッドです!(畠田)
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