今回は開成中学の理科をとりあげます。
【入試資料分析】
受験者数は今年も例年通りでした。
理科は(合格者平均 全体平均 満点)の順に(56.0 48.1 70)
でした。
ここ数年では低めです。
【問題分析】
○大問1…天体の問題です。基礎をしっかりおさえていれば細かいところまでは問われませんが,問題文を読み取って答える力が求めれます。
○大問2…手回し発電機の問題です。今回はこの問5をこれを扱いたいと思います。
○大問3…溶解度の問題で基礎的な計算、知識しか求められていませんが表を読み取り、どうなるのか推論する力が必要です。
○大問4…植物の問題ですが植物の知識問題はなく、全てその場で読解して解く問題です。問題文も長く,表やグラフも多いので処理能力が求められます。印をつけて成長を調べる類題はあるので,しっかり練習しておきたいところです。
(問題)令和2年 開成中学校 理科 大問2
手回し発電機とはモーターに手回しハンドルを付けたもので,以下では,手回し発電機のハンドルの回転方向を,ハンドルの側から見て「時計回り」,「反時計回り」と表します。
はじめに,図1のように手回し発電機G1(以下ではG1と表します)と豆電球を接続します。ハンドルを時計回りに手で回転させると豆電球が点灯します。このとき,電流は黒いたんしから出て豆電球を通過して白いたんしに入ります。
次に,図2のようにG1のハンドルにはさわらずに,かん電池を接続すると,ハンドルは時計回りに回転します。
最後に,図6のようにG1とコンデンサーを接続し,G1のハンドルを時計回りにしばらくの間手で回転させ,ハンドルから手をはなします。
問5 図6において下線部③の直後,G1のハンドルはどのようになりますか。正しいものを,次のア~オの中から一つ選び,記号で答えなさい。
ア すぐに回転が止まり,そのまま回転しない。
イ すぐに反時計回りに回転し始め,だんだん回転が速くなる。
ウ すぐに反時計回りに回転し始めるが,だんだん回転がおそくなる。
エ 時計回りに回転し続け,だんだん回転が速くなる。
オ 時計回りに回転し続けるが、だんだん回転がおそくなる。
[解説]
図1と図2からモーターはハンドルを時計回りに回すと黒いたんし側が電圧が高くなります。
またモーターの黒いたんしへ電流を流すとハンドルが時計回りするということがわかりました。
まずG1のハンドルを時計回りに回すと黒いたんしの方が電圧が高くなり黒いたんしからコンデンサーに向かって電流が流れます。
だからコンデンサーは充電されて黒いたんし側が+極、白いたんし側が-極の電池になります。
ハンドルから手を放すとコンデンサーのG1の黒いたんしとつながっている側の電圧が高くなるのでコンデンサーから黒いたんしに向かって電流が流れます。
よってハンドルは時計回りに回ることがわかります、
しばらくすると、充電されたコンデンサーに蓄えられた電気が少なくなってきてだんだん回転が遅くなりオとわかります。
問題文にハンドルを回した時に流れる電流の方向と同じ方向に電流を流すとハンドルは逆に回ることは書いてありますが,何故そうなるのかも考えてみてください。
必要な知識は基礎的なものですが,開成らしく読解力と正確な処理が求められます。
がんばってください(畠田)