数理教育研究会

聖光学院中学校 算数 問題解説&入試分析★2018年(H30年)

今回は聖光学院をとりあげます

第1回は受験者数は640人、合格者数は240で実質倍率は2.67倍

科目別得点結果は(科目,満点,平均点,合格者平均,合格最低点)の順に
(国語,150,104.2,93.8,69)
(算数,150,94.1,117.0,62)
(理科,100,65.9,72.9,49)
(社会,100,68.8,74.1,56)
(合計,500,32.5,368.3,341)
です。

やはり算数が受験平均と合格者平均の差が大きいですが,差をつけやすそうな問題だと思います。

それでは実力の差が出そうな旅人算の問題です。

(問題)H30 聖光学院中学校 大問3
聖さんと光さんがP地点からQ地点に向かって,同時に同じ速さで出発しました。光さんは途中で忘れ物に気づき,そのままの速さですぐにP地点に向かって戻りました。学さんは光さんが忘れ物に気づいて6分後に,光さんの忘れ物を持って,P地点からQ地点に向かって出発しました。その後しばらくすると,学さんは戻ってきた光さんと出会い,2人は一緒に学さんが歩いてきた速さでQ地点に向かって進みました。学さんの歩く速さは聖さんの歩く速さと同じだったので,光さんと学さんがQ地点に到着したのは,聖さんがQ地点に到着してから22分後になりました。
もし,学さんの歩く速さが聖さんの歩く速さの5/3倍で,光さんと学さんが出会った後,2人が一緒に学さんが歩いてきた速さでQ地点に向かって進んだとすると,光さんと学さんがQ地点に到着するのは聖さんがQ地点に到着してから24秒後になります。また,学さんの歩く速さが聖さんの歩く速さよりも1分あたり20m速く,光さんと学さんが出会った後,2人が一緒に学さんが歩いてきた速さでQ地点に向かって進んだとすると,光さんと学さんがQ地点に到着するのは聖さんがQ地点に到着してから10分後になります。
このとき,次の問いに答えなさい。
(1)光さんと学さんが出会ったのは,聖さんと光さんがP地点を出発してから何分後ですか。
(2)聖さんがQ地点に到着したのは,学さんがP地点を出発してから何分後ですか。
(3)P地点からQ地点までの距離は何kmですか。

(1)ダイアグラムか状況図かと言うところです。
ダイアグラムでも大丈夫ですが、そんなに複雑ではないので状況図で書いてやってみます。
まず最初の速さが3人とも同じの場合を考えます。
seikou2018k1.jpg
同じ時刻のところは同じ印をつけます。
旅人算では何が一定なのかを考えることが大切です。
3人とも速さは同じで距離が時間に比例するので、距離を時間で考えることができます。

PQは青+緑ですが学さんの□からQまでは22分より青は22分に対応します。
光さんの×からRまで6分より,○からRまでは22-6=16分
よってから△の紫2つは16-6=10分より紫1つは5分に対応します。
したがって光さんと学さんが出会ったのは○から△までの時間で16+6+5=27分後とわかります。

(2)同じように旅人算では何が一定なのかを考えます。
聖さんと学さんが進む距離がPQで同じなので、速さの比と時間の比は逆比です。

速さの比は
聖:学=1:5/3=3:5より
PQにかかる時間の比は
聖:学=5:3
なのでPQを進むのに聖のかかる時間⑤分,学のかかる時間③分とおけます。
時間の差⑤-③=②分は22-24/6=108/5分より
②=108/5
①=54/5
よって聖さんのPQ進むのかかる時間は⑤=54分,求める緑にかかる時間は54-22=32分とわかりました。

(3)同じく何が一定なのかに注目します。
聖さんと学さんは同じPQを進みます。

PQを進むのにかかる時間の比は
聖:学=54:(54-22+10)
=54:42
=27:21
速さの比は逆比で
聖:学=21:27
よって聖の速さ㉑m/分,学の速さ㉗m/分とおけてこの差㉗-㉑=⑥は20m/分より
⑥=20から
①=10/3
聖の速さは㉑=70m/分
よってPQは70×54=3780mつまり3.78kmとわかりました。

がっちりと旅人算で使う考え方がはまる問題です。
同じ時刻は同じ印をつける,距離,速さ,時間の何が一定なのかを考えることを意識して練習して合格点を狙いにいきましょう。(畠田)

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