甲陽学院中学算数2日目の問題をとりあげます。
1日目の記事で書いたように2日目の平均点はここ数年では一番高くなりました。
高い得点率での勝負になります。
【問題分析】
大問1…(1)基本的な場合の数。あわせたい。(2)正誤問題です、倍数の基本的な内容なのであわせたい。
大問2…これ以上約分できない分数の総和の問題。(1)(平均値)×(個数)で素早く求めたい。(2)色々な解法があると思いますが1,2,3,…,12のうち12と互いに素なのは1,5,7,11の4つなので区間が1大きくなると4ずつ大きくなっていくなど方法があります。
大問3…直方体の切断。かなり普通の問題なのできっちりあわせたい。
大問4…平面図形の相似などを利用した標準的な面積の問題。あわせたい。
大問5…旅人算の問題。今回はこれを扱います。
大問6…普通の8進法の問題。瞬殺したい。
それでは大問5にいきます。
(問題)R3 甲陽学院中学校 算数(第2日) 大問5
太郎君と次郎君が午前7時に家を出発し、歩いて公園に向かいました。太郎君の歩く速さは次郎君の歩く速さの1.2倍です。午前7時44分に忘れ物に気づいた太郎君は走って家に戻る途中、A地点で次郎君とすれちがいました。午前8時8分に家に着いた太郎君はすぐに公園に向かい同じ速さで走り出しました。その後、太郎君がふたたびA地点に来たとき、次郎君はその2975m先にいました。
(1)太郎君が次郎君とすれちがった時刻は午前何時何分何秒ですか。
(2)太郎君の走る速さは分速何mですか。
[解説]
(1)
まず状況図を描いてみます。
太郎君と次郎君の歩く速さの比は1.2:1=6:5
また太郎君は家から折り返し地点まで歩いて
7時44分-7時=44分
折り返し地点から家まで走って
8時8分-7時44分=24分
より道のりが同じ時、速さの比は時間の逆比になるので
太郎君の歩く速さと走る速さの比は24:44=6:11
同じ時間では道のりは速さに比例するので太郎君が○から☐まで進んだ距離を⑥とすると次郎君が○から☐のところまで進んだ距離は⑤
⑥を太郎君は歩くと44分かかる
走っている太郎君と次郎君が向かい合って進んで⑥-⑤=①の距離を進んですれ違うのにかかる時間は
(太郎君の歩く速さ):(太郎君の走る速さ+次郎君の歩く速さ)=6:(11+5)=3:8
より
44×1/6×3/8=11/4
したがってすれ違った時刻は
7時44分+11/4分=7時46分45秒
(2)
×から△まで8時8分-7時46分45秒=85/4分
よって×から☆までは85/4×2=85/2分かかる
次郎君は2975mを85/2分で進むので太郎君の走る速さは
2975÷85/2×11/5=143m/分
状況図を描いて甲陽らしい流れではありましたが、ダイアグラムを描いても機械的に解けます。困ったときはダイアグラムを描いても良いと思います。
標準的な問題は多かったですが、甲陽で出題されそうな問題ではありました。
だからしっかり対策をして点数をとって合格に近づきましょう!(畠田)