数理教育研究会

灘中学校 算数(1日目)2019(H31)入試分析 その2

今回は灘中学、算数1日目の大問4をとりあげたいと思います。
大問4では表面上は高校数学で習う合同式を道具として使わなかったとしても根本的な考え方,解法の原理は合同式になります。
灘でもよく出題され,合同式の考え方に慣れていれば大きく有利になるのでぜひ考え方を勉強してください。

(問題)2019年度 灘中学校 算数第1日目 大問4
A=377×377×377×377×377×377とするとき,Aの約数の中で14で割ると1余るものは,1を含めて全部で[ ① ]個あります。また,Aの約数の中で15で割ると1余るものは,1を含めて全部で[ ② ]個あります。

[解説]
このような余りの問題が出たとき
(A+BをPで割った余り)=(((AをPで割った余り)+(BをPで割った余り))をPで割った余り)
(A-BをPで割った余り)=(((AをPで割った余り)-(BをPで割った余り))をPで割った余り)
(A×BをPで割った余り)=(((AをPで割った余り)×(BをPで割った余り))をPで割った余り)
を使います。
和,差,積は余りにおきかえて計算してしまったらよいわけです。


377=13×29よりAは13の素因数が6個と29の素因数が6個の積です。
14で割った余りで考えると
29は14で割ると余り1です。
13は14で割ると余り12ですがこれを1不足しているということで余り-1として扱います。
余りで掛け算を考えると
1×1=1 ←余り1になるもの同士をかけると余り1の整数になる
(-1)×(-1)=1 ←1不足しているもの同士をかけると余り1の整数になる
このルールで考えればよいことになる。

なので(余り1の整数である)29は何個使ってもよくて,
(1不足の整数である)13は偶数個使えばよいことになります。

29の使い方は0個から6個の7通り,13の使い方はは0個,2個,4個,6個の4通りより
7×4=28通り


29は15で割ると余り-1
13は15で割ると余り-2
と考えて扱います。

13の個数で場合分けすると
0個の時…1のことなので余り1
1個の時…2不足
2個の時…(-2)×(-2)=4で余り4
3個の時…4×(-2)=-8で8不足
4個の時…(-8)×(-2)=16で余り1
5個の時…1×(-2)=-2で2不足
6個の時…2個と同じで余り4
よってAの約数が余り1になるには,13が0個または4個で余り1,29が偶数個で余り1の時の1×1=1の場合しかない。
13の使い方は0個または4個の2通り,29は0,2,4,6個の4通りで
4×2=8通り

(畠田)

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