渋谷教育学園渋谷中学を取り上げます。
第1回は受験者数は男子170名、女子250名、合計420名
合格者数は男子48名、女子71名、合計119名
倍率は男子3.54倍、女子3.52倍、全体で3.53倍
2018年第1回の入試合格最低点は300点満点中、男子182点・女子197点です。
今年も女子の難易度が高くなっています。
それでは勉強になりそうな立体図形の問題をとりあげます。
(問題)H30 渋谷教育学園渋谷中学校 第1回 大問3
1辺の長さが6cmの立方体があります。立方体の3つの頂点を通る平面で切り,立方体から1つの三角すいを取り除いた,図1のような立体Aを作りました。
次の問いに答えなさい。ただし,すい体の体積は,「(底面積)×(高さ)÷3」で求めることができます。
(1)解答用紙に立体Aの展開図の一部がかかれています。展開図の1つを完成させなさい。
(2)立体Aの①の面を底面として机に置き,真上から見ると1つの平面図形に見えました。そのときの図形の名前を答えなさい。
1辺の長さが10cmの立方体があります。立方体の3つの頂点を通る平面で切り,立方体から三角すいを取り除いた後,さらに立方体の3つの頂点を通る別の平面でもう一度切り,三角すいを取り除いた,立体Bを作りました。図2は立体Bの展開図です。ただし,図の等しい印は,等しい長さであることを表しています。
(3)立体Bの体積は何㎤ですか。
(4)立体Aを①の面を底面として机に置き,立体Bを②の面を底面として机に置きます。このときの,立体Aと立体Bの高さの比を最も簡単な整数の比で表しなさい。
(1)
すぐにわかればそれに越したことはないですが,一つの解法としては頂点打ちをします。
そして展開図の正三角形のところをA,B,Cを打って残りの頂点を打っていきます。
すると正方形BGFEがないので,これを書きます。
(2)
各頂点を①を含む平面に正射影するとどんな図形かと言う問題になります。
点D,G,Eを通る平面は①に平行です。
正三角形ABCと正三角形DGEを正射影してあわせると6つの頂点が等距離に並ぶようになるはずです。
図のような正六角形になります
(3)
3つの頂点を通る平面で三角すいを切り落とすことになる切り方は、図のように4つあります。
展開図に正方形がありませんが,このうち正方形がないのは一番右の切り方となります。
よって体積は立方体から三角すい2つを取り除いて
10×10×10-(10×10×1/2×10×1/3)×2=2000/3㎤
とわかります。
(4)
まず一般的に立方体から三角すいを切り落としたとき高さはどのようになるのかを考えてみます。
Bのように立方体を切ります。
切り口の正三角形は平行です。
すると図から切り落とす三角すいの高さは立方体の対角線の1/3とわかります。
(Aの元の立方体の辺の長さ):(Bの元の立方体の辺の長さ)=6:10=3:5
(立体Aの高さ)=(対角線の2/3)
(立体Bの高さ)=(対角線の1/3)
より
(立体Aの高さ):(立体Bの高さ)=3×2/3:5×1/3
=6:5
とわかりました。
頂点打ちや,切断,平面で考えるなど難しめの道具をたくさん使って解く問題です。
勉強にも良い問題なので練習しておきましょう!(畠田)