今回は武蔵中学の算数を扱います
【入試資料分析】
受験者数580 合格者数188で実質倍率3.1
倍率は例年通りです。
教科別の平均点は(満点 合格者平均点 受験者平均点)の順に
国語(100 67.8 61.6)
算数(100 71.9 54.5)
社会(60 28.1 24.1)
理科(60 37.0 32.7)
合計(320 204.6 172.9)
合格最低点187/320
算数の平均点が去年の反動なのか、最近ではもっとも高くなりました。
【問題分析】
大問1…(1)2をかけていって一の桁の数が周期的になるよくある問題です。(2)どれだけ安くなったのかの値を出せば後はつるかめ算です。
どちらも基礎的な典型問題なので満点を狙いましょう。
大問2…(1)三角形と台形の面積の比を考えましょう。(2)AEを延長してチョウチョ型の比を使ったり三角形の面積の比など使って解きましょう。
この大問も基礎的な典型問題なので満点を狙いましょう。
大問3…(1)武蔵は理由を記述で問われることあります。簡単なことを聞かれてるので、しっかり論点を抑えて書きましょう。「偶数の玉が存在している」ので「少なくともどちらか一方に必ず入り」,「5と偶数の玉があれば積は10の倍数」となり0となる。この三つのことについて書かれていればよいと思います。(2)0でなければ偶数と5は同じ箱に入ってはいけなくなります。しかも偶数が4つもあるので、場合分けがそんなに発生しません。(3)こちらも0でない場合ばかりなので場合分けが少なくて、初見の問題で実験してやるタイプの問題と言ってもやりやすかったと思います。
満点をとりたい。
大問4…今回はこれを扱います。
(問題)R2 武蔵中学 大問4
選挙では,各候補者の得票数に小数点以下の数がついてる場合があります。この仕組みを例1を用いて説明します。①~④の4人の候補者について,投票用紙に姓名とも書かれている票の数を正規の得票数と言います。投票用紙に「田中」とだけ書かれていると①と③のどちらに投票したか不明です。また,「ともこ」とだけ書かれていると②,③,④の誰に投票したか不明です。そこで,「田中」だけの票が3票あったので,これを①と③の正規の得票数の比に分けて分配し,正規の得票数に足します。この操作を「按分」と言います。ただし,按分する票数は小数第2位を切り捨てます。①については,3×5/(5+6)=1.36…なので,1.3票を足して,按分後の得票数は6.3票になります。③についても,同様に計算して,「田中」の分で1.6票を足しますが,③は「ともこ」だけの3票についても按分しないといけません。つまり,3×6/(7+6+8)=0.85…なので,さらに0.8票を足して,按分後の得票数は8.4票となります。次の問に答えなさい。
(1)例1について,(ア)に入る数を求めなさい
(2)例2について,(イ)に入る数を求めなさい
(3)例2について,(ウ),(エ)に入る数をそれぞれ求めなさい。
[解説]
(1)簡単に答えます。
3×8/(7+6+8)=1.14…なので8+1.1=9.1
(2)この問題のポイントは按分すると小数点第2位を切り捨てられるところです。
例2の②は按分が1.5,④は1.2なので③はともこによる按分は全部で5票ぐらいなので5-1.5-1.2=2.3ということで
②は20票で按分1.5ということは③は2.3でいくらか?と勘でやっても求まるとは思います。
ここでは小数点第2位を切り捨てられたことによって,範囲を絞って答えになっているものを求めたいと思います。
②から按分する票数の小数点第2位を切り捨てる前の値は1.5以上1.6未満であります。
よって5×20/(20+(イ)+17)の値が1.5以上1.6未満より
(イ)は
5×20÷1.5-37=29+2/3以下
5×20÷1.6-37=25+1/2より大
なので(イ)=26,27,28,29のどれかに絞れました。
同様に④でもやってみると
5×17÷1.2-37=33+1/6以下
5×17÷1.3-37=28+5/13より大
なので(イ)=29,30,31,32
よって(イ)=29と決まります。
(3)同じように範囲を絞って①と③の田中の按分において①は1.6なので
(エ)×21/(21+29)の値が1.6以上,1.7未満より
(エ)の範囲を絞ると
1.6×(21+29)/21=3+17/21以上
1.7×(21+20)/21=4+1/21未満
なので(エ)=4と決まります。
したがって(ウ)は
ともこの按分…5×29/(20+29+17)=2.19… なので2.1
田中の按分…4×29/(21+29)=2.32より2.3
だから29+2.1+2.3=33.4
とわかりました。
他の大問が簡単ですぐに解けると思うので,この問題に時間は使えます。範囲を出すと大変なのではないかと、ためらっている時間があれば計算するように練習しておきましょう!(畠田)