今回は桜蔭中学を取り上げます。
受験者数521人、合格者数280人、補欠者数30人で倍率は1.9です。
平均点などは非公表ですが、例年では算数は6割5分程度が目安です。
今年の問題は数学的思考が必要なものや,算数としてもヘビーなものが多く難易度が高かったのではないかと思います。
それでは,他の問題でも使うことりそうな処理をする場合の数の問題です。
(問題)平成30年 桜蔭中学校・算数 大問2(2)
同じ大きさの白と黒の正三角形の板がたくさんあります。図のように白い板を24枚すきまなく並べて正六角形を作ります。
次に,24枚のうち何枚かを黒い板と取りかえます。
このとき,正六角形の模様は何通り作れますか。
ただし,回転させて同じになるものは同じ模様とみなします。また,正六角形を裏返すことはしません。
① 24枚のうち1枚を取りかえたとき
② 24枚のうち2枚を取りかえたとき
図の点Oを中心に60度ずつ回転させていって重なる板は同じ色で塗ると軌道は図のように4つになります。
①
1枚を赤の軌道,青の軌道,緑の軌道,紫の軌道のどこかに塗る4通りになります。
②
(a)1つの軌道に2枚 と (b)2つの軌道に1枚ずつの場合に分けて考えます。
(a)1つの軌道に2枚
軌道の選び方は4通り
その2枚の間隔が0,1,2の3通り
よって4×3=12通り
(b)2つの軌道に1枚ずつ
軌道の選び方は4つから2つ選ぶ組み合わせで(4C2=)(4×3)/(2×1)=6通り
例えば赤と青なら,図のように赤の1枚を固定して,青はその赤の板に対して6通りです。他の組み合わせも同じでこのように一方の軌道の板を固定して考えると,他方の軌道の板は6通り
よって6×6=36通り
(a),(b)より12+36=48通り
とわかりました。
円順列の1つを固定して考えたり,間隔を考える
回転して重なるものを分類して軌道を考える
などレベルの高い考え方、整理の仕方を使います。
本番は②は難しいかもしれませんが,勉強に良い問題で,桜蔭らしい問題でもあるので解いて勉強してみてください(畠田)