今回は東大寺中学を扱います。
【資料分析】
倍率は去年と変動はありませんでした
受験者数 791名→834名→894名→911名→884名→909名
合格者数 325名→347名→364名→373名→351名→361
実質倍率 2.43 →2.40 →2.46 →2.44→2.52→2.52
算数の受験者平均と合格者平均の差は17.6点とかなりあり、算数は差がつきやすいのでしっかりやるべきなことがわかります。
各教科の平均点は
(合格者平均 全体平均 満点)の順に
国語(61.8 56.6 100)
算数(69.5 51.9 100)
理科(73.6 66.5 100)
社会(69.7 65.3 100)
算数の受験者平均は
51.9点→62.4点→53.4点→53.8点→47.0点→51.9点
と推移していて低めとなりました。
【問題分析】
大問1…(1)素因数分解とか意識するタイプの計算問題です。(2)よくやったことあるような最大公約数の問題です。(3)微妙に工夫が必要な体積の問題です。満点狙いたいところです。
大問2…食塩水の問題です。よくやったことある問題だと思うのでしっかりあわせたいところです。連立方程式でごり押しでも何でもいいのであわせたいところです。
大問3…(1)円を動かす面積の問題です。①が②の誘導になっていて、アプローチの仕方が見えてきます。ぜひやって欲しいよく出来た問題です。
(2)普通の比の問題と見せかけて意外とわかりにくいです。文字を置いて方程式みたいにしたらいいですが、うまくやれば算数的に解けます。色々考えてみましょう。シンプルであるが意外と解けないという(1)(2)ともにさすが東大寺らしいよく出来た問題なので考察をしておきましょう。
大問4…今回はこの問題を解説します。
(問題)R2 東大寺学園中学校 算数 大問4
太郎君と花子さんが1,2,3,4,5,6の6種類の数字だけを並べて整数を作ります。ただし,同じ数字を何回用いてもよいとします。たとえば3けたの整数を作るときは222や353などの整数も作ることができます。太郎君の作る整数をA,花子さんの作る整数をBとするとき,次の問いに答えなさい。
(1)①2人とも2けたの整数を作るとき,B=2×AとなるようなA,Bの組は何組あるか答えなさい。
②2人とも2けたの整数を作るとき,B=2×A+1となるようなA,Bの組は何組あるか答えなさい。
(2)2人とも3けたの整数を作るとき,B=2×AとなるようなA,Bの組は何組あるか答えなさい。
(3)2人とも5けたの整数を作るとき,B=2×AとなるようなA,Bの組は何組あるか答えなさい。
[解説]
(1)①②まずは実際に書きくだしてみましょう。
①のB=2×Aは11組
②のB=2×A+1は10組
とわかりました。
(2)
(1)で書きくだしていってみた結果
B=2×Aでは一の位は1,2,3,6しか使えないことがわかります。
B=2×A+1では一の位は1,2,5,6しか使えないことがわかります。
ということは一の位で場合分けがポイントと予想できます。
一の位で場合分けして書きくだしていってみると
・一の位が1,2,3の時…2倍しても繰り上げが起こらないので十の位以上に影響を与えません。
だから百の位と十の位の2桁は(1)の①のB=2×Aの2けたの並びということがわかります。
・一の位が6の時…2倍すると繰り上げが起こるので十の位は1大きくなります。
だから百の位と十の位の2桁は(2)の②のB=2×A+1の2けたの並びということがわかります。
よって11×3+10=43組とわかりました。
(3)同じように4桁の場合を作るには3桁のB=2×A+1が必要なので数え上げてみます。
・一の位が1,2の時…2倍しても繰り上げが起こらないので上から2桁はB=2×Aの2桁の並びになります。
・一の位が5,6の時…2倍すると繰り上げ起こるので,B=2×A+1の2桁の並びということがわかります。
よって11×2+10×2=42組とわかりました。
同様にしていくと
4桁のB=2×Aは43×3+42=171組
4桁のB=2×A+1は43×2+42×2=170組
5桁のB=2×Aは171×3+170=683組
この問題は書き下していって規則性を見つけるということが出来るかを問われています。
よく考えられていて練習するのにも良い問題です。
このようなアプローチを練習しておくようにしておきましょう!(畠田)