今回はフェリス女学院中学の算数を扱います
【入試資料分析】
2020年度の受験者数は384人で合格者195人、倍率は1.97倍です。
平均点は
国語:70/100
算数:54/100
社会:41/60
理科:42/60
【問題分析】
大問1…(1)王道な計算問題です、絶対あわせましょう。(2)角度を調べると二等辺三角形を発見できる、基本的な良い問題です。(3)1,2,3,4,5,6,7,8,9,10がそれぞれ何回あらわれて,それは2が何個分か?3が何個分か?5が何個分か?7が何個分か?を考えます。勉強にするにもよい問題です。(4)典型的な比の問題です、必ずあわせたい。(5)例1ではお尻同士がくっついてる場所が一カ所、または全部同じ向き。例2では頭が向き合っている箇所の左側と右側が例1のようになっています。色々書いて規則性を把握しまししょう。
大問3…(1)は扇形から直角二等辺三角形を取り除くだけです。(2)30°を利用して三角形の高さを求めて三角形の面積をひくのがポイントになります。どちらも基礎的なのであわせたい。
大問4…完全にa_(n+1)=2/3×a_n+10を解くという高校の漸化式の問題です。(1)計算してみて操作を理解しましょう。(2)特性方程式x=2/3×x+10を解いてx=30と求めて差を考えるのが高校の解き方ですが、それを誘導でやってくれています。
30-(n+1番目の数)={30-(n番目の数)}×2/3
となっています。(3)30-10=20を何回2/3倍すれば30-29=1より小さくなるか考えます。高校の範囲と言えども誘導がしっかりついてるので点数はとりたいところです。
大問5…今回はこれを扱います。
(問題)R2 フェリス女学院中学校 大問2(1)
Aさん,Bさん,Cさん,Xさんの所持金はそれぞれ1600円,3000円,4000円,x円です。AさんとXさんの所持金の差はa円,BさんとXさんの所持金の差はb円,CさんとXさんの所持金の差はc円です。a,b,cはすべて異なる数です。次の問いに答えなさい。(1),(2)は下のわくの中から選んで答えなさい。
(1)a,b,cの大小関係についてありえないものを,上のわくの中の①~⑥からすべて選び,その番号を答えなさい。
(2)bとcの和がaの2倍に等しいとき,a,b,cの大小関係として考えられるものを,上のわくの中の①~⑥からすべて選び,その番号を答えなさい。
(3)bとcの和がaの2倍に等しいとき,Xさんの所持金x円はいくらですか。
[解説]
(1)大小関係がどこで切り替わるか数直線で考えてみます。
図はxの位置によってa,b,cの大小関係がどうなるかを表していて、aとbはAとBの中点,bとcはBとCの中点,cとaはCとAの中点を境に大小関係がかわります。
この図から
②のa<cとc<bは同時に成立しなくて
⑤のc<aとa<bは同時に成立しないことがわかります。
(2)式で考えると楽です。(1)より②と⑤以外となります。
①a<b<cであればb+c>a+aなのでb+cはaの2倍より大きいです。
④b<c<aであればb+c<a+aなのでb+cはaの2倍より小さい
⑥c<b<aであればb+c<a+aなのでb+cはaの2倍より小さい
ので③のb<a<cしかないことがわかります。
(3)
b<a<cなのでxは図の赤い部分の値よりxは1600より大きく,3000と4000より小さいので
a=x-1600
b=3000-x
c=4000-x
より(x-1600)×2=3000-x+4000-x
整理してx×4=10200からx=10200÷4=2550
とわかりました。
これは高校でやるような絶対値の問題ではあります。綺麗に解けなかったとしても,色々な場合を具体的に考えてみてみましょう。(畠田)