入試問題解説
雙葉中学校 理科 問題解説&入試分析★2020年(R2年)
今回は雙葉学園中学の理科を扱います
【問題分析】
大問1…手回し発電機の問題です。開成中学でも同じような問題がでました。ルールを理解すれば簡単なので読み間違えたり、ミスで点数を落としたくないところです。
大問2…腕の骨の本数など少し細かい知識が出題されました。基本的には読解で答えていけると思います。
大問3…化学分野の問題です。混ざらない液体では密度が軽い方が浮きます。問4は高校の範囲のセッケンを作る問題とは言え解き方は,普段の中和などの問題と同じです。今回は問3を扱います。
大問4…日食、月食の問題です。あまり知識問題というわけではなく、考えて解くことになります。図を描いて計算したり考えて解く練習をしておきましょう。
(問題)R2 雙葉学園中学 大問3問3
油は「脂肪酸」以外に「グリセリン」と呼ばれる部分からつくられています。グリセリンは下図のような構造をしており,脂肪酸が3か所で結びついています。
脂肪酸には様々な種類(ここではA,B,C,…とします)があり,例えば3つとも違う脂肪酸でできている油もあれば,2つが同じもので,もう1つがちがうものでできている油もあります。グリセリンにAとBを結びつけてできる油は何種類ありますか。ただし,3つとも同じ種類の脂肪酸を使ってもよいものとします。また(例)のように回転したときに同じ組み合わせになるものは,合わせて1つと数えることとします。
[解説]
算数の問題です。
非対称と対称にわけて考えると
対称なもの
AAA BAB ABA BBB
非対称なもの
AAB ABB
の6種類になります。
これは内容としては高校化学の油脂の問題です。
CH2-O-COR
|
CH-O-COR’
|
CH2-O-COR”
解くためには算数の場合の数をやっていれば大丈夫なので焦らずに対応できるよう経験を積んでおきましょう!(畠田)
西大和学園中学校 入試分析 算数 2020(R2)
今回は西大和学園中学を扱います
【入試資料分析】
受験者→合格者(倍率) 合格最低点
男子:1010人→541人(1.86倍) 325点
女子:209人→43人(4.86倍) 365点
今年は女子の合格最低点と倍率が例年より若干ゆるかったです。
【問題分析】
大問1…(1)(2)正統派な計算問題、必ずあわせたい。(3)簡単な仕事算、瞬殺したいです。(4)旅人算というほどでもない旅人算。(5)表に書いて整理で、特に関西の塾ならよく練習していると思います。(6)組み合わせと、完全順列を使いますが何も知らなくて数えあげればいいだけなので大して難しくありません。(7)フローチャートなどで求めましょう、よく練習していると思うので大丈夫だと思います。
大問2…(1)扇型と直角二等辺三角形を足したり引いたりしますが何となく求められると思います。(2)2つのブーメラン型を見つければすぐに出来るので、慣れている子も多いと思います。(3)何度もやらせてきた平行四辺形の比の問題です。(4)平均の高さで瞬殺です。大問2もスムーズに完答していきたい。
大問3…(1)今回はこれを扱います。(2)正四面体の4つの角を切り落とすと真ん中に正八面体が残るネタです。ハイレベルですが典型問題ですね。(3)TRとPCが平行なことに気付けばうまく解けますが、そんなこと考える人あればごり押しで長さを求めて力技で答えを出してしまいましょう。
大問4…見た感じは難しそう、複雑そうに見えますがそんなことはありません。大して場合分けも発生せずに逆にたどってみたりするだけなので満点を狙いたい。
ネタとしては箱は関数のことで逆関数の扱い方が背景にあります。
1:1の関係ならば逆の操作をすると数字は1つに決まりますが、そうでない場合は逆の操作をすると1つには決まらない場合があります。
(問題)R2 西大和学園中学 大問3(1)
①西さんは,紙に1,2,3,4,5,6,7と1から順に7つの数を書きました。このとき,7つの数の平均は[ あ ]です。大和くんが,その中の1つの数である[ い ]を消しゴムで消すと,残りの数の平均は3+1/2となりました。
②次に,西さんは,新しい紙に1,2,3,4,5,…と1から順に,[ う ]までの数を書きました。そして,大和くんが,その中の1つの数である[ え ]を消しゴムで消すと,残りの数の平均は32+1/3となりました。
[解説]
①は簡単に答えます。
7つの平均は(1+7)÷2=4
消した数は合計を考えて
4×7-(3+1/2)×6=7
②機械的に数式は立てられますが、数学の問題としても面倒になってしまいます。
そこで①が誘導になっていないかを考えてみると、7を消すと平均値が4から3.5にかわりました。
一番大きいものを消しても平均値は大してかわらないことがわかります。
つまり32+1/3はほとんど平均値が32から33の間くらいに収まると思われるので64,65,66付近であると予想できます。
本番なら答えが一つに決まるはずなので試してしまったらよいですが、ここではしっかり式を立て説明したいと思います。
[ う ]に入る数をAとおいて
一番平均値が小さくなるのは一番大きなAを取り除いて(1+A-1)/2=A/2
より32+1/3≧A/2から64+2/3≧A
一番平均値が大きくなるのは一番小さい1を取り除いて(A+2)/2
なので32+1/3≦(A+2)/2から62+2/3≦A
これよりA=63か64に絞れます。
更に平均値が32+1/3と分母が3の分数であるということから,合計をA-1で割って平均値になったのでA-1は3の倍数であることがわかります。
したがってA=64と決まります
消した数は合計を考えて
(1+64)÷2×64-(32+1/3)×63=43
とわかりました。
アプローチの仕方がわからないときは前の小問がヒントになっていることが多いので必ず考えてみるようにしましょう。そうすれば差をつけることが出来て合格間違いなしです!(畠田)
桜蔭中学校理科 問題解説&入試分析★2020年(R2年)
今回は桜蔭中学校の理科を取り上げます。
【問題分析】
大問1…環境の問題です、知識は問6の京都議定書やパリ協定ぐらいですが、基本的には読解です。リード文に書いてることをしっかり読み取って答える練習しましょう。
大問2…金属の密度の問題です。都市鉱山など一部、知識が難しいですが意味も計算もわかりやすくしっかり点数を固めたいです。
大問3…植物の問題です。問1のクヌギ・コナラが落葉樹、スギ・ヒノキが常緑樹などしっかり覚えましょう。問2の外来種はヨモギ、ツクシ、カラスノエンドウは外来種ではないと予想できるので消去法とか推測して選べるようにしておくことも大切です。問3は読解なので、これしか入らないであろうとか考えて答えを入れていきましょう。
大問4…モーメントの問題です。今回はこれを扱いたいと思います。
大問5…リード文に水が入った氷の方が早く溶けているということをヒントに考えると解くことができます。熱の伝導の問題です。
水に氷が浮かんでいたとすると、その氷が溶けても水面の高さはかわらないことをチェックしておいてください。北極の氷が溶けても水位はかわらないことが有名な話です。余裕あれば何故そうなるのかアルキメデスの原理を元に考えてみてください。
(問題)R2 桜蔭中学校・理科 大問4
長さ60cm,重さ15gの棒の端から30cmの位置にひもを結んでつり下げると、棒は水平になりました(図1)。この棒と,重さ45gの皿,重さ100gのおもり,分銅を使い,つぎの①~④の手順で「さおばかり」を作りました。あとの問いに答えなさい。ただし,ひもの重さは考えなくてよいものとします。
【手順】
① 棒の左端に更を下げ,左端から15cmの位置にひもを結んで棒をつるす。
② 何も皿にのせず,棒が水平になる位置におもりを下げる。おもりの位置に「0g」の印を付ける(図2)。棒をつるすひもからおもりまでの長さをaとする。
③ 皿に10gの分銅をのせ,棒が水平になる位置におもりを下げる。おもりの位置に「10g」の印をつける。
④ 皿にのせる分銅を10g増やすごとに,おもりの位置に印をつける作業を繰り返し,棒の右端まで印を付ける。
問1 aは何cmですか。
問2 10gごとの印の間隔は何cmですか。
問3 図3のように,重さ180gのものを皿にのせて棒を水平にしました。棒をつるすひもからおもりまでの長さbは何cmですか。
問4 棒の右端までおもりを下げられるとすると,量れる重さは最大で何gですか。
問5 重さ150gのおもりを使い,同じ手順でさおばかりを作った場合,量れる重さは最大で何gですか。
問6 おもりの重さを変えると,さおばかりはどう変わるかを説明したつぎの文ア~カから,正しいものを2つ選び,記号で答えなさい。
ア. おもりの重さを変えると,0gの印の位置も,10gごとの印の間隔も変わる。
イ. おもりの重さを変えると,0gの印の位置は変わらず,10gごとの印の間隔は変わる。
ウ. おもりの重さを変えると,0gの印の位置は変わり,10gごとの印の間隔は変わらない。
エ. おもりの重さが100g増えると,量れる重さの最大値も100g増える。
カ. おもりの重さが100g増えると,量れる重さの最大値は300g増える。
[解説]
棒のひもがついてる位置の周りのモーメントを考えて
(皿と分銅の重さ)×(皿とひもの位置との距離)=(おもりの重さ)×a+(棒の重さ)×(30cm-15cm)
の式をたてていきます
問1は簡単に答えます。
45×15=100×a+15×15
これよりa=4.5cm
問2
このような10gごとの印の間隔を求める問題は式が左辺や右辺がどう変化したかを考えます。
(45+10)×15=100×a+15×15
左辺は前の問題と比べて10×15=150増えています。
ということはaは150÷100=1.5cm増えると良いことになります。
問3
180÷10=18より1.5cm×18移動させればよいので
b=4.5+1.5×18=31.5cm
問4
0gの状態から60-15-4.5=40.5cm移動した時なので
40.5÷1.5=27
で1.5cmずつ27回移動させたときなので27×10=270g
問5
重さ150gのおもりを一番右につるせばよいので
(45+☐)×15=150×(60-15)+15×15
☐=420gとわかりました
問6
まずア、イ、ウについては
100gのおもりで0gの時はおもり100gによるモーメントは100×4.5=450であってので
おもりが150gの時は450÷150=3cmとなるのでずれる。
分銅を10g増やすと,左辺は10×15=150増えたので,aは150÷150=1cm増やせばよいことになるので間隔もかわります。
エ、オ、カについては
おもりが100gから150gになると量れる重さの最大値は270から420に増えて1.5倍ではないので、おもりを2倍にしても量れる重さの最大値は2倍にはなりません。
おもりの重さを100g増えすと,量れる重さの最大値なのでおもりを一番右につるした場合を考えて右辺が100×(60-15)=4500増えます。
ということは左辺も4500増えるためには分銅を4500÷15=300g増やせばよいので最大値は300g増えます
よってアとカとわかりました。
基礎というわけではありませんが、発展的なタイプの典型問題です。やり方は決まっているのでしっかり勉強していけば点数をとりやすいので合格に近づきます!(畠田)
桜蔭中学校算数 問題解説&入試分析★2020年(R2年)
今回は桜蔭中学校の算数を取り上げます。
【入試資料分析】
受験者数532人
合格者数283人
補欠30人
実質倍率1.88
となっております。
ここ数年、合格者数は多めになっております
【問題分析】
大問1…(1)計算問題です、必ずあわせましょう。(2)軽減税率のコンビニのイートインコンをネタにしたような問題です。ただし内容は簡単な差集算です。(3)今回はこれを扱います。
大問2…(1)計算は基礎的な旅人算ですが問題文の読み取りがわかりにくいので注意です。(2)計算自体は簡単ですが勘違いやミスが多く起こりそうな問題です。(b)の②では上から見た図は一番下の段とその一つ上の段が影響することにも注意です。
大問3…(1)3:4:5を使います。(2)△AMBが底面,LNが高さです。(3)表面積を求めるのにALの長さが難しいですが結局3:4:5です。難しいわけではないですが、解けないと差をつけられてしまうので3:4:5を使いまくるであろうというアプローチに慣れておきたいところです。
大問4…(1)LCMセット法の問題です。分子は3と5のLCM15ごと,分母は4と3と5のLCM60ごとに1セットです。一般的に解けなくても全部書き下す勢いでやる力も必要です。(2)①不定方程式の問題です。サラっと解けるようにしておきたい。②は4で割った余りが影響するのは20gだけなのでまず単純に大きい方から足してみて3ずつ減らして調整しましょう。
(問題)R2 桜蔭中学校・算数 大問1(3)
まっすぐな道に柱を立ててロープを張り、そこにちょうちんをつるします。柱と柱の間は5m50cmで、ちょうちんとちょうちんの間は1m35cmです。1本目の柱から35cm離れたところに1個目のちょうちんをつるしました。ロープはたるまないものとし柱の幅は考えません。柱を10本立てて,ちょうちんをつるしました。
① ちょうちんは全部で[ ウ ]個使いました。また10本目の柱に1番近いちょうちんはその柱から[ エ ]cmのところにつるしました。
② 柱から35cm以内の部分につるしたちょうちんは,とりはずすことにしました。ただし1個目のちょうちんはとりはずしません。このとき,つるされたまま残っているちょうちんは[ オ ]個です。
[解説]
①は簡単に答えます。
{550×(10-1)-35}÷135=36余り55
なのでちょうちんは36+1=37本,10本目に一番近いのは55cmのところです。
②全部書いてしまうぐらいの計算力、処理能力もあっていいんですが、どういう風に考えればいいのかというと135で割った余りに注目します。
550÷135=4余り10
なので、ちょうちん4つごとに柱から10cmずれていきます。
最初のちょうちんは最初の柱から35cm進んでいましたが1+4=5つめは2本目の柱より25cm進んでいます。
その次は15cm、その次は5cm
そしてその次は5cm足りなくなり、その次は15cm、その次は25cm、35cm,45cm、最後は55cmとなります。
よって7つのちょうちんがとりはずされるので37-7=30本とわかりました。
桜蔭の問題は処理系の問題も多いですが、全部書きくだす訓練も大切です。その上で余りで考える、LCMセット法で考えるなどやることで合格は近づきます!(畠田)
麻布中学校 理科 問題解説&入試分析★2020年(R2年)
今回は麻布中学校の理科を取り上げます。
【問題分析】
大問1…動物の誕生の問題です。問2ではうなぎの幼生レプトセファルスを知ってるかなど、わりとマニアックな知識は問われています。しかしリード文を読めば海流に乗って移動すると書いているなど、基本的には問1以外は読解力を問われています。
この問題は養殖のウナギは河口にやってきたシラスウナギを捕まえているので結局ウナギは減少する、養殖で育てて放流しても養殖ではほとんど全てオスになるので卵を産むウナギはほとんどできないことなど勉強になります。
大問2…バターを使ったパイ、パウンドケーキ、クッキーがどのようにして膨らむのかなどの問題で内容は化学です。リード文に生クリームは絞った牛乳の表面に浮かび上がってくる、水分を少なくして現れた固体がバター、バターには15%の水分が含まれていることなど書いているのでそれらを使って解いていくことになり、読解力が必要です。
この問3を扱いと思います。
大問3…光の問題です。長いリード文を読みフェルマーの定理を理解して考えて解いていくことになります。この問8も扱いたいと思います。
大問4…大地の変化の問題です。これも長いリード文を読みとり、考えて解いていくことになります。風化には物理的風化、化学的風化などがあり、読み取って答えていきます。風化には気候を一定に保とうするはたらきがあることも面白いです。
(問題)2020年度 麻布中学校 理科 大問2の問3
小麦粉には主にデンプンとタンパク質が含まれています。小麦粉と水を混ぜてパイ生地を作ると、タンパク質どうしはつながってグルテンと呼ばれるやわらかく弾力のあるものに変わります。グルテンはそのまま焼くとかたくなります。このグルテンを含んだパイ生地にバターをはさむと、図1のようにパイ生地が2層になります。これらを二つ折りにすると、図2のように内側の生地どうしはくっついてしまうので、パイ生地は3層になり、図3のように三つ折りにするとパイ生地は4層になります。このようにバターをはさんだパイ生地を、平らに伸ばしてから再び織り込むことを何度か繰り返して、200℃~220℃の高温で素早く焼き上げると、たくさんのうすい層を持つパイができあがります。
(1)図1のパイ生地を2回三つ折りするとパイ生地の層は何層になりますか。
(2)図1のパイ生地を5回三つ折りするとパイ生地の層は何層になりなすか。
[解説]
(1)
図のように2つの赤い矢印のところで生地がくっついて2層減ります。
4×3-2=10層
(2)同様にして考えると
3回で10×3-2=28層
4回で28×3-2=82層
5回で82×3-2=244層
とわかりました。
(問題)2020年度 麻布中学校 理科 大問2の問3
17世紀後半にフェルマーは、光の進み方に「二点間を進む光は、考えられる経路のうち、進むのにかかる時間が最も短い経路を通る」という決まりがあるのではないかと考えました。たとえば、光源から出た光は真っすぐに進むという性質がありますが、フェルマーの考え方を用いれば、光がこのような性質をもつのは、真っすぐ進む方が遠回りして進むよりも、かかる時間が短いからであると説明できるのです。
光が曲がって進む現象は、宇宙でも観測されることがあり、太陽などの重い星の近くを通過するときは、光が曲がることが知られています。この原因を、次のように単純化して考えてみましょう。図8は、四隅が固定された軽いテーブルクロスが空中に張られた様子を真上から見たものです。このテーブルクロスの上に球を静かに置くと、図9のように、球の周辺部分のテーブルクロスが伸びてたわみました。ここで、置く球をさらに重いものに交換した後、アリがテーブルクロスの上を、図8の点Pから点Qに向かって、途中で速くなったり遅くなったりせずに、決まった速さで進む場合について考えます。
問8 テーブルクロスの上に置かれた球がとても重いとき、点Pを出発したアリは、図8に示した経路のうちのどれを通ったときに、点Qまで到達する時間が最も短くなると考えられますか。ア~エから1つ選び、記号で答えなさい。
[解説]
PとQを直線で結ぶと赤い直線のようになります。
これは最短経路になります。
よって図のようにテーブルクロスに書き込むと赤い線が光の経路でエとなります。
このたわみのないテーブルクロス(座標)が三次元空間の観測者にとっての位置関係で自分たちは自分たちのいる空間が曲がっていると感じませんが、
一つ次元の高い四次元空間の神視点の観測者にとっては、たわみのあるテーブルクロスのように曲がっているように見えます。
歪みは一つ次元が大きい空間でしか表現できないので、前上から見る(正射影する)という言葉で次元を一つ落として、テーブルクロスがたわんでいない三次元の空間を表現しています。
ちなみにこの星Qにいる人から星Pを見た場合は,星PはP’の位置に見えます。
(畠田)
麻布中学校 算数 問題解説&入試分析★2020年(R2年)
今回は麻布中学校の問題を取り上げます。
【入試資料分析】
去年に続いて倍率が高めになりました
出願者数 1016名
合格者数 383名
倍率2.65
最高点 151/200
最低点 110/200
配点は国語60点算数60点理科40点社会40点
【問題分析】
大問1…比の問題です。差を考えたら☐が消えるので比をあわせられるという文章問題の計算でよくある問題です。しっかり取りましょう。
大問2…(1)90°の扇形から直角二等辺三角形を引きます。これは確実におさえましょう。(2)工夫が必要です。下にも円を描いて4等分の直線を伸ばしたりなどすれば見えてきやすいかもしれません。考えてみてください。
大問3…(1)場合の数の典型です。瞬殺してください。(2)3で割った余りをグループ分けすると余り1のグループ1と4,余り2のグループ2と5、余り0のグループ3と6で偶数と奇数が1個ずつですね。ぜひやってみてください。シンプルですが思考が必要なうまい問題です。
大問4…食塩の問題です。天びん法で特に迷いなく解けます。これは確実にとりたい。
大問5…やはり麻布は正六角形の問題をだしてきます。円と正三角形のマスの直線との接点に注目してください。
1/6の場所を考えて6倍すればよいので丁寧にかけばそれほど難しくないと思います。
大問6…麻布お決まりの最後の重い問題です。これを扱います。
(問題)2020年度 麻布中学校 算数 大問4
周の長さが1mの円があります。図1のように,この円の周上を点Aは反時計回りに,点Bは時計回りにそれぞれ一定の速さで動きます。点Aと点Bは地点Pから同時に動き始め,2点が同時に点Pに戻ったら止まります。以下の問いに答えなさい。
(1)点Aの動く速さと点Bの動く速さの比が3:5のとき,点Aと点Bが同時に地点Pに戻って止まるまでに,2点P以外で何回すれ違いますか。
(2)点Aの動く速さと点Bの動く速さの比がア:イのとき,点Aと点Bが同時に地点Pに戻って止まるまでに,2点は地点P以外で14回すれ違いました。このとき,ア:イとして考えらえるものをすべて,できるだけ簡単な整数の比で答えなさい。ただし,点Aよりも点Bの方が速く動くものとします。また,解答らんはすべて使うとは限りません。
次に,周の長さが1mの円を図2のように2つ組み合わせます。これらの円の周上を,点Aと点Bはそれぞれ一定の速さで次のように動きます。
・点Aは5つの地点P,Q,R,S,Tを,P→Q→R→P→S→T→Pの順に通りながら,繰り返し8の字を描くように動く。
・点Bは5つの地点P,Q,R,S,Tを,P→T→S→P→R→Q→Pの順に通りながら,繰り返し8の字を描くように動く。
点Aと点Bは地点Pから同時に動き始め,2点が同時に地点Pに戻ったとき止まります。以下の問いに答えなさい。
(3)点Aの動く速さと点Bの動く速さの比が3:8のとき,点Aと点Bが同時に地点Pに戻ってとmなるまでに,2点A,Bが動いた道のりは合計何mですか。また,2点は地点P以外で何回すれ違いますか。
(4)点Aの動く速さと点Bの動く速さの比がウ:エのとき,点Aと点Bが同時に地点Pに戻って止まるまでに,2点は地点P以外で6回すれ違いました。点Aよりも点Bの方が速く動くものとすると,ウ:エとして考えられるものは9通りあります。これらをすべて,できるだけ簡単な整数の比で答えなさい。
[解説]
(1)と(2)は簡単に答えます。
(1)Aが3周するとBは5周するので3+5-1=7回
(2)アとイの比をもっとも簡単な整数であらわしたものをA,Bとおくと
AとBは互いに素でA<Bなので
A+B=14+1=15より
(A,B)=(1,14),(2,13),(4,11),(7,8)
(何故互いの素な場合なのか考えてみてください)
(3)
まずは実験してみましょう。
3:8なので3+8=11より円1周分の長さを[11]とします。
1回目のすれ違いは二人の進んだ距離の和は円2周分です。
この時Aの進んだ距離は[22]×3/11=[6],Bの進んだ距離は[22]×8/11=[16]
となります。
次に2回目のすれ違いは同じようにAをさらに[6]進ませて[6]+[6]=[12]なのでPから[1]進めたところです。Bは[16]+[16]=[32]進んでいます。
するとAを[6]進ませていって点を打っていけばよいことがわかります。
二人が同時に点Pにつく3+8=11周分、つまりAが[11]×11×3/11=[33]進めたところまで考えればいいので打っていくと
5回目のすれ違い[30]から次は[3]進んで[33]となります。
何故最後だけ円1周分なのかと言うと,点Pは重なっている点なので直前のすれ違いから二人の進んだ距離の和が円1周分で点Pに戻ることがあるわけです。
以上のことより答えを求めるだけの計算としてはAは円3周分進むとBは円8周分進むので3+8=11
2+2+2+2+2+1=11より2が5つで5回となります。
(4) (3)についてもう少し考えると11は奇数でしたがAとBの速さの比が3:7の場合なら3+7=10で偶数です。
このときは全部円2周分ずつで点Pに到達します。
まとめるとAとBの速さの比を最も簡単な整数であらわしたときに
和が奇数であれば二人の進んだ距離の和が円2周ごとにすれ違い最後は円1周分で同時にPに到達
和が偶数であれば二人の進んだ距離の和が円2周ごとにすれ違い最後も円2周分で同時にPに到達
○二人の進んだ距離の和が円2+2+2+2+2+2+1=13周分となるとき
AとBは互いに素でA<BとしてA+B=13に注意して
(A,B)=(1,12),(2,11),(3,10),(4,9),(5,8),(6,7)
○二人の進んだ距離の和が円2+2+2+2+2+2+2=14周分となるとき
同様にして
(A,B)=(1,13),(3,11),(5,9)
となります。
麻布の最後の問題は具体的にやってみて実験することでわかってきます。
ぜひ自分で一つずつすれ違ったポイントを計算して追ってみたりしてやってみましょう。(畠田)
女子学院中学校 理科 問題 解説&入試分析★2020年(R2年)
今回は女子学院中学の理科をとりあげます。
【問題分析】
大問1…消化酵素の問題です。よく問われる基本的な問題ばかりなのでしっかり勉強しておきましょう。素早く答えて時間を稼ぎたいところです。
大問2…問1は天球の問題です。知識というよりはその場で読み取っては判断するので,しっかり基本的なことを身につけて色々な問題でよく練習しておきましょう。問2の日食の問題は簡単な知識問題なので瞬殺してください。
大問3…水溶液の問題です。問1の溶解度の問題は大した計算を聞いてるわけでもなく問題文の読解が難しいです。まずは1000gの海水に溶けているもの34gのうちそれぞれの物質はどれくらいなのかを考えますが(5)は溶解度の問題です。対して(6)は液量がはじめの1/10ほどになったときとか、1/2ほどになるまで煮詰めると言う曖昧な表現で、水の質量のことなのか凝固した固体を含めての体積なのか、含めない体積なのか、一体何の量のこと曖昧で、そもそも与えられているのは水100gに対して溶ける量である溶解度です。これはおおよそで良いという意味なので,1/10は水が100gになった,更に1/2は水が50gになったで計算良いです。問2は水溶液の性質ですが、しっかり物質覚えて完答しましょう。
大問4…ばねの問題です。一通りちゃんと出来るかを問われています。今回は問8を解説したいと思います。
(問題)R2 女子学院中学 理科 大問4問7
3種類の重さが無視できる軽いばねA,B,Cがある。これらのばねをそれぞれ天井につるし,30gのおもりを1個ずつつるしていったときのばねの長さを測定したところ,下の表のような結果になった。おもりの重さをさらに増やしていったときも、おもりの重さとばねののびの関係は変わらないものとする。
問8 重さが無視できる軽い棒の両端にばねBとCを取り付け、右図のように棒の左端から6:5の位置に30gのおもりを何個かつるしたところ、2本のばねの長さは等しくなり棒は水平にになった。このときの、ばねの長さとおもりの重さを求めなさい。
[解説]
まず表からBは30gごとに3cm,Cは30gごとに1.5cm伸びます。
そしてBの自然長は9-3=6cm,Cの自然長は13.5-1.5=12cm
まずこのような長さが同じになる問題は
1、自然長が短い方を自然長が長い方の長さと同じになるようにおもりをつるす
ようにします。
Bの方が自然長がCより12-6=6cm短いのでBを6cm伸ばすために30×2=60gおもりをつるす。
次に
2、2本のばねの伸びが同じようになるような比で更におもりをつるす
同じ重さのおもりをつるすとBとCの伸びは3:1.5=2:1なので同じ伸びになるようなおもりの重さの比は逆比になるので1:2より[1]gと[2]gとおけます。
つまりBには60+[1]g,Cには[2]g引っ張るとBとCは同じ長さになります。
おもりがつり下がっている点の周りのモーメントのつりあいを考えて
(60+[1])×6=[2]×5
より360+[6]=[10]から[1]=360÷4=90なので
Bを引っ張る力は60+[1]=150gより21cm
おもりの重さは60+[1]+[2]=60+[3]=60+90×3=330gとわかりました。
とっつきにくい人は多いかもしれませんが勉強すればとりやすい分野でもあるので、しっかり勉強しておきましょう。確実に合格に近づきます!(畠田)
女子学院中学校 算数 問題 解説&入試分析★2020年(R2年)
今回は女子学院中学の算数をとりあげます。
【入試資料分析】
受験者746名て合格者が274名。実質倍率は2.72倍です。
ここ数年高い倍率が続いています。
合格最低点など非公表ですが7割5分から8割を目指したいところです。
【問題分析】
大問1…(1)計算問題らしい計算問題、必ずあわせましょう。(2)30°を利用する基本的な三角形の面積の問題です。必ずあわせたいです。(3)正三角形になるよくある問題を少し捻った問題ですが正三角形や二等辺三角形になる場所をさがすという同じことをやればいいので落ち着いてとりたいところです、(4)計算は簡単ですが文章が少しややしくて読解力が必要なのが女子学院らしいので解いてみてください。(5)最小公倍数の問題です、瞬殺できるように慣れておきたい。(6)直角三角形があると角度に○と×をつけていくことは普段からもやっておいてください。
大問2…直角三角形に正方形が入っておりパターンそのままの問題です。計算間違いなく解いて時間を稼いでください。
大問3…基本的な用語を聞いてきています。2秒で答えてください。
大問4…3→4区間の速さについては述べられていませんが、グラフから計算しろということです。他の区間が全て同じ時間なことに注意してください。このような読解も処理も少し複雑な問題はよく出るので練習しておいてください。
大問5…今回はこれを扱います。
大問6…(1)は流速が打ち消しあい、どちらも同じ時間なので速さは進んだ距離に比例します。(2)はダイアグラムなど書いて間違えないようにきをつけてください。典型的な問題なのでしっかりたくさん練習しておいてください。
(問題)R2 女子学院中学 算数 大問5
下のように,AからPまでに,ある整数が入っている表があります。この表に,次の規則に従って○か×の印をつけます。
① AからPまでの数の1つに○をつけ,その数と同じ行,同じ列に並んでいる印のついていない数すべてに×をつける。
② 印のついていない残りの数の1つに○をつけ,その数と同じ行,同じ列に並んでいる印のついていない数すべてに×をつける。
③ もう一度②を行い,残った数に○をつける。
この表では,どこを選んで○をつけていっても,①から③の作業をした後に○のついた数の和がいつでも同じになることがわかりました。
(1)①から③までの作業をした後に○のついた数は全部で[ ]個あり,それらの数の和はいつでも[ ]です。
(2)Aに入っている数は[ ],Gに入ってる数は[ ]です。
(3)この表に入っている一番大きい数は[ ],一番小さい数は[ ]です。
[解説]
(1)4×4なのでこの作業をすると4個○がつきます。
和はいつでも同じということは、和の値が出てくるように○をつけていけばいいです。
例えば
8+15+12+9=44
(2)この作業を何度かやってみると,各列から行の違うものを選んだ整数の和のが一定ということがわかります。
ということは例えば
A+15+9+11=44からA=9
8+12+G+11=44からG=13
(3)更に整数を求める計算をしていってみると
○をつけてから2列を抜き出して、その2列の○のついた整数の和は,それぞれの行を交換して○をつけなおしても整数の和は同じでないといけないことがわかります。
ということは9+11=15+LよりL=5
9+J=8+12よりJ=11
11+15=9+NよりN=17
11+M=8+17よりM=14
E+12=9+15よりE=12
C+15=12+13よりC=10
10+9=13+DよりD=6
と全てわかり一番大きい数は17,一番小さい数は5とわかります。
具体的にやってみることがこの問題のアプローチのポイントです。間違いを恐れず、どんどん書いてみて問題を把握していきましょう。(畠田)
神戸女学院中等部 算数 2020(R2)入試分析
今回は神戸女学院中等部をとりあげます。
【入試資料分析】
受験者240名に対して合格者が153名。実質倍率は1.57倍です。
合格最低点は体育実技(20点)を含めて、249点/460点。筆記で6割が目標です。
【問題分析】
大問1…(1)よくある公約数の問題なので瞬殺してください。(2)よくある一次不定方程式の問題なので瞬殺してください。
大問2…消費税の問題です。(1)3583×(0.1-0.08)=71.666…としてから切り捨てすると、答えがずれるのが注意してください。(2)何円から何円の間であればいいのか範囲を考えましょう。
大問3…ダイアグラムなど書いて整理など処理能力が求められていますが、意外と場合分けがほとんど起こらずややこしくはなりません。速さを求めるより2kmで何分かかるかで計算した方がやりやすいです。
大問4…狂った時計のよくある問題です。時計Aが午前8時38分を指してから、時計Cが午前8時38分を指すまでの間に時計Bでは1分15秒経過していましたという表現が少し難しいですが、これを先に書いてあるから混乱するのであって、この後ろに書いてあることでAとCの速さの比が出るのでそこから処理出来たらやりやすかったと思います。
考えだす前に問題文を一通り読むようにしましょう。
大問5…群数列の問題です。今回はこれを扱います。
大問6…正六角形の問題です。使う手法はいかにも正六角形の問題で使うことの組み合わせなので一通り定石は勉強しておくようにしておきましょう。
(問題)R2 神戸女学院中等部 算数 大問5
次のような規則にしたがい、整数が組に区切られて2列に並んでします。
A列: 1| 2 3| 7 8 9|13 14 15 16|…
B列: 2| 5 6|10 11 12|17 18 19 20|…
整数の位置を○列第△組☐番目と表すことにします。例えば,8はA列第3組2番目の数となります。
(1) 280は何列第何組何番目の数ですか。
(2)A列の先頭から第a組b番目までの和と、B列の先頭から第a組b番目までの和との差が85となりました。aとbを求めなさい。
(3)B列の先頭から第15組14番目までの和を求めなさい。
[解説]
(1)
1 2|3 4 5 6|7 8 9 10 11 12|13 14 15 16 17 18 19 20|…
という群数列を考えて280は何群目に入るかと考えると
2×(1+2+3+…+16)=272<280
2×(1+2+3+…+16+17)=306>280
で17群目に入り
280-272=8でこれは17より小さいのでA列の方に入ります。
A列第17組8番目
(2)第1群目の差は1
第2群目の差は2+2=4
第3群目の差は3+3+3=9
第4群目の差は4+4+4+4=16
と平方数になります。
1+4+9+16+25=55<85
1+4+9+16+25+36=91>85
で85は第6群目に入ることがわかります。
(85-55)÷6=5
よって第6組5番目よりa=6,b=5とわかります。
(3)AとBの差がわかっているので、まずはAとBをあわせて第15群まで全部足すことを考えてみます。
第15群の最後の項は
2×(1+2+3+…+15)=240
よってAとBをあわせて第15群まで全部足すと
1+2+3+…+240=28920
この時AよりBの方がどれだけ大きいのかを計算すると
1+4+9+16+…+15×15=1240
よって第15群までのAとBの和は28920,差は1240なので和差算よりBの和は
(28920+1240)÷2=15080
Bの第15群の14番目までなので最後の240を取り除いて
15080-240=14840
とわかりました。
群数列の問題として典型的な手法も使いますが、少し崩してきていて工夫が必要です。たとえ良い方法が思いつかなくても、力技で解く力が欲しいところです。
日々の練習が合格につながります(畠田)
渋谷教育学園幕張中学校 算数 問題 解説&入試分析★2020年(R2年)第1次
今回は渋谷教育学園幕張中学の一次入試を取り扱います。
【入試資料分析】
例年は合格者を730人前後とるところを、今年は受験者数はかわらないのに合格者数は630人しかとらず厳しいになったと思われます。
男子
受験者数1441人 合格者数464人
女子
受験者数617人 合格者数166人
合計
受験者数2058人 合格者数630人 倍率3.3
各教科の平均点では算数の受験者平均と合格者平均の差が例年では10点程度ですが今年は13.8点とかなりあります。
算数は差がつきやすい試験だったと思われます。
(配点,受験者平均点,合格者平均点)の順で
国語(100,48.8,56.0)
算数(100,45.0,61.3)
社会(75,43.1,47.4)
理科(75,48.9,57.1)
合格最低点は204/350
合格者が少なかった影響もあってか合格者平均や合格最低点が比較的高くなっています。
特に算数は平均点と合格者平均の差が16点と例年に比べてかなり大きくなっています。
【問題分析】
大問1…継子立てです。難関校でかなりよく出てるので,よく練習していれば簡単だったと思います。2の累乗が残るまで取ると後は,取られ方が規則的になります。研究しておきましょう。
大問2…連続する整数の和であらわす問題です、これもかなりよく出る難関校の典型問題です。特に(4)は中学受験の算数らしく項数が奇数か偶数かでわけるより,高校数学っぽく(初項+末項)×(項数)÷2で考えた方がわかりやすかったかもしれません。何故,2の累乗の時だけ作れないのか考えてみてください。
大問3…非常に簡単な水の問題です。簡単すぎて戸惑ったかもしれません。
大問4…今回はこれを扱いたいと思います。
大問5…やはり渋幕なら出てくる切断の問題です。(1)は簡単です。(2)①も慣れていれば比とか考えて特に問題なくすぐに答えられたと思います。②は少し工夫しないといけません。しかし例年より比較的簡単であったように思います。
(問題)R2年 渋谷教育学園幕張中学校 一次入試 大問4
(1)図1のように直角三角形ABCにACを1辺とする正方形とBCを1辺とする正方形をかき、2つの点D,Eを直線で結びます。このとき,三角形CDEの面積は何cm^2ですか。
(2)図2のように直角三角形ABCと,AD,BD,CDをそれぞれ1辺とする正方形があります。このとき,CDを1辺とする正方形の面積は何cm^2ですか。
(3)AB=AD,AD:DC=2:3,角Aの大きさが150°,角Dの大きさが90°である四角形ABCDがあります。辺BCをのばしたところに2つの点E,Fをとります。次に,直角三角形AEGと直角三角形DFHをかいたところ,図3のようになりました。直線ADと直線GHが平行のとき,三角形ABEは三角形DCFの面積の何倍ですか。
[解説]
(1)
この問題では2つの三角形のある角度の和が180°であれば、面積の比はその角をはさむ2辺の長さの積の比であることを使います。
2017年度の灘中学2日目の大問4や,2018年度の甲陽2日目の大問5にも出題されています。
特に図1のように2つの正方形で作られる三角形2つの形に使うことが多いです。
△ABCと△CDEは∠ACB+∠DCE=180°なので面積の比はAC×BC:DC×ECの比に等しいですが、AD=DC,BC=ECより△CDEの面積は△ABCと等しくなり15°の直角三角形なので面積は大丈夫ですね。
(8×4÷2)÷2=8cm^2
とわかります。
(2)
(ADを1辺とする正方形の面積)=1×1=1cm^2を☐倍すると(CDを1辺とする正方形の面積)
(CDを1辺とする正方形の面積)を☐倍すると(BDを1辺とする正方形の面積)=3×3=9cm^2なので☐×☐=9からA=3より
(CDを1辺とする正方形の面積)=3cm^2
(3)
∠CDA=∠FDH=90度なので(1)のように考えると△DCF:△DAH=DC×DF:DA×DH=3×■:2×1
((2)から■×■=3)
同じように△ABEでも考えられないかと考えると,∠GAE=90°-60°=30°なので
∠EAB+∠DAH=360°-30°-150°=180°になっています。
だから△ABE:△AGD=AE×AB:AG×AD=2:■
するとAD//GHより△AGD=△DAHにいなるので
△DCF:△DAH=3×■:2=3×■×■:2×■=9:2×■
△ABE:△AGD=2:■=2×2:2×■=4:2×■
よって△ABEは△DCFの4/9倍
この問題もそうですが、今回は全体的に最難関校で出される難易度が高い典型問題ばかりでした。よく練習して考察していればスムーズに解けると思います。成果がわかりやすく出るので,しっかり勉強してください!(畠田)
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