入試問題解説
西大和学園中学校 入試分析 算数 2018(H30)
西大和学園中学校を取り扱います
受験者→合格者(倍率) 合格最低点
男子:1020人→471人(2.17倍) 284点
女子:277人→51人(5.43倍) 326点
女子の合格最低点がかなり高くなっています。
それでは答えはわかるかもしれないけど、その答えが正しいかを考えるのは難しい問題をとりあげます。
(問題)H30 西大和学園中学校 算数 大問4
図1は1辺の長さが1cmの正方形8個の辺をぴったりとくっつけて作った六角形です。この図形を図2のように4つに切りわけて,くっつけ直すと図3のような面積が8㎠の正方形になります。
(1)図1を3つに切りわけて面積が8㎠の正方形をつくりたいとき,どのように切りわければよいですか。解答用紙の図に線をかきこみなさい。
(2)図4は1辺の長さが1cmの正方形15個の辺をぴったりとくっつけて作った図形です。図5は図4の図形の中に正方形3個をぴったりとくっつけた長方形Xを5個をしきめたものです。このように図4の図形の中に長方形Xをしきつめる方法は,図5の場合をふくめて全部で何通りありますか。
(3)図6は1辺の長さが1cmの正方形64個の辺をぴったりとくっつけて作った1辺の長さが8cmの正方形です。この問題では1辺の長さが1cmの正方形を「小正方形」,1辺の長さが8cmの正方形を「大正方形」と呼ぶこととします。「大正方形」の中に,「小正方形」3個をぴったりとくっつけた長方形を21個しきつめたとき,しきつめられない「小正方形」が必ず1つあります。それはどの「小正方形」ですか。しきつめられない「小正方形」をすべて黒くぬりつぶしなさい。
(4)同じ大きさの正方形の頂点を1つの点に集めると図7のようにすきまなく並べることができます。このような正多角形は正方形をふくめて全部で何種類ありますか。
(1)このような問題は例に注目してみるとヒントになったりします。
正方形のマスの対角線2つ分が、くっつけ直してできた正方形の辺1つ分になることがわかります。
つまり正方形のマスの対角線4つ分を切るように切ればよいので例えば次のようになります。
(2)
図のように①の正方形のマス目に横に長方形を入れて②のマス目に縦に長方形を入れると残りは2通りの入れ方があります。
合計4通りです。
(3)答えはわかるかもしれません。
前の問いがヒントになってることが多いので、それを元に考えると
図のようにすれば真ん中の4×4のところに(2)の入れ方をすればよいので右上の小正方形が空きます。
そして対称性から回転させて図の4箇所はしきめられない小正方形となりえます。
しかし本当にこれだけなのかはわかりません。
ここからは次の数学的な論法で考えます。
条件を満たすのはどの場合しかありえないか絞る(必要条件により絞る)
→実際にその場合は可能である例を挙げる(十分であることを言う)
まず次のように小正方形を白と青と緑に塗り分けます。
白は21個,青は22個,緑は21個あります。
青だけ1個多いです。
このように塗り分けると、どのように長方形を1つしきつめても白1個,青1個,緑1個を埋めることになります。
長方形を21個うめると、青だけ1個残ることになります。
つまりしきつめられない場所は青の部分に絞られます。
更に対称性を利用して青の部分の赤い直線について対称な部分を赤に塗ります。
しきつめられない場所は赤の部分でもなければなりません。
なので青と赤の共通部分の紫の部分に絞られます。
そして紫の部分がしきつめられない例はさきほど書いたように存在しているので紫の小正方形4箇所が答えとなります。
塗り分けは算数オリンピックでも使われているテクニックです。
(4)は簡単に書きます。
これも答えは簡単にわかりますが,それが正しいのか論理的に書いておきます。
すきまなく並べられる正多角形の内角は360°の約数であることから大きい方から360°と180°のぞいて120°,90°,…なので120°以下です。
そして正多角形の内角は正三角形の場合が一番小さく60°以上です。
正三角形は60°,正四角形は90°,正五角形は108°,正六角形は120°でこのうち360°の約数になってるのは60°,90°,120°の3種類とわかります。
試験中にしきつめられない箇所は4箇所しかないことを示すのは難しいとは思うので,まずは前の問いをヒントに答えを書けることが目標です。
余裕があれば何故正しいのか,解法の道具や,考え方も勉強すると答えに漏れがあるかもしれない意識が芽生え点数につながっていくと思います(畠田)
洛星中学校 入試分析 算数 2018(H30)期
今回は洛星中学校の前期を扱います。
きっちりそれが答えであると言うことを判断するのが難しい問題です。
(問題)H30 洛星中学校 前期 算数 大問6
たて1cm,高さ1cm,横2cmの直方体を【2ブロック】,
たて1cm,高さ1cm,横3cmの直方体を【3ブロック】,…
のように呼ぶことにします。ただし,横の長さは整数とします。
たて1cm,高さ1cmで横が十分に長い箱を3個用意し,図のように左端をそろえて並べます。これらの箱に,ブロックを左端から順に,次の<<ルール>>にしたがってつめていきます。
<<ルール>>
① ひとつの箱には,同じ種類のブロックを左端から順につめる
② 箱ごとに異なる種類のブロックを使う
このように順につめたとき,左端から何cmかのところで,初めて3つの箱のブロックの右端がすべてそろうところがあります。この長さを「そろった長さ」と呼ぶことにし,左端からそこまでをつめるのに使ったブロックの個数の合計を「使った個数」と呼ぶことにします。
たとえば,【2ブロック】【3ブロック】【4ブロック】を使ってつめるとき,「そろった長さ」は12cmで,「使った個数」は13個です。
(1)【4ブロック】【5ブロック】【6ブロック】を使ってつめるとき,「そろった長さ」と「使った個数」を求めなさい。
(2)【3ブロック】【8ブロック】ともう1種類のブロックを使ってつめたところ,「そろった長さ」は72cmとなりました。もう1種類のブロックは何ですか。考えられるものをすべて答えなさい。
ただし,「【4ブロック】,【5ブロック】」と答えるときは,4,5のように答えなさい。
(3) 3種類のブロックを使ってつめたとき,「そろった長さ」は180cmとなりました。このようなブロックの組み合わせを考えるとき,
(ア) 「使った個数」が一番少ない場合
(イ) 「使った個数」が一番多い場合
について,3種類のブロックと「使った個数」をそれぞれ答えなさい。
ただし,(ア)も(イ)も【1ブロック】と【180ブロック】は使わないものとします。
そろった長さはブロックのLCM
使った個数はLCM÷(ブロックの横の長さ)の和となります。
(1)(2)は簡単に答えます。
(1)使った長さは4,5,6のLCMで60cm
使った個数は60÷4+60÷5+60÷6=15+12+10=37個
(2)3と8とAのLCMが72となるようなAを求めることになります。
72=3×3×2×2×2
なのでAは9の倍数かつ72の約数より
9,18,36,72とわかりました。
(3)
(ア)「使った個数」が一番少なくなるのはブロックの横の長さが基本的には大きければ良いので180の約数で180を除いて大きい順に考えてみると90,60,45,…です。
ところが90,60,45のLCMは180なのでこの組み合わせは可能なので、この時が「使った個数」は一番少なくなることがわかってしまいます。
【45ブロック】【60ブロック】【90ブロック】の場合で
180÷90+180÷60+180÷45=2+3+4
=9個
(イ)180=2×2×3×3×5よりブロックの横の長さは
2×2と3×3と5の素因数を持つものがないといけません。
「使った個数」が一番多くなるには,ブロックの横の長さを基本的には短くする必要がありますが単純に比べるのが難しいので場合分けして整理して考えます。
3つの素数
大,中,小
があってLCMが
小×小×中×中×大
になるような3つの整数を考えることになります。
○小×小と中×中と大がそれぞれ別々の場合
(小×小,中×中,大)
の組み合わせが「使った個数」が一番多い場合になります。
つまり(4,9,5)で180÷4+180÷9+180÷5=45+20+36=101個
○小×小と中×中と大のうち2つがセットになる場合
1つがフリーになるので「使った個数」が一番多くなるには小を1つ使う場合に限られます。
(a) 小×小と中×中がセット
「使った個数」が一番多いのは
(小,小×小×中×中,大)
つまり(2,36,5)で180÷2+180÷36+180÷5=90+5+36=131個
(b) 小×小×大がセット
「使った個数」が一番多いのは
(小,小×小×大,中×中)
つまり(2,20,9)で180÷2+180÷20+180÷9=90+9+20=119個
(c) 小×小×大がセット
「使った個数」が一番多いのは
(小,小×小,中×中×大)
つまり(2,4,45)で180÷2+180÷4+180÷45=90+45+4=139個
○小×小と中×中と大がセットになる場合
180になるので不適です。
以上より「使った個数」が一番多いのは
【2ブロック】【4ブロック】【45ブロック】の場合の139個
本番中には完璧な論理で「使った個数」が一番多い場合など考えるのは難しいかもしれませんが,単純に小さければいいと言うわけではない問題があることをこの問題を通して知っておいて,あらゆるパターンを実際に書いてみて考えましょう(畠田)
六甲中学校 入試分析 算数 (A日程) 2018(H30)
今回は六甲学院中学校のA日程です。
今年は238人の受験者数に対して168人の合格者。実質倍率が1.42倍です。
各教科の受験者平均が,国語96.4/150点,算数94.7/150点,理科59.9/100点に対して
合格者平均が,国語100.7/150点,算数108.1/150点,理科63.6/100点です。
この受験者平均と合格者平均の国語と理科の差が小さいだけに算数の合否への影響が大きいです。
それでは問題を取り上げます。
(問題)H30 六甲学院中学校 A日程 算数 大問4
各辺を5等分した正方形に,右の図のような三角形㋐,㋑,㋒,㋓を作りました。㋐,㋑,㋒の面積がそれぞれ3㎠,1㎠,2㎠のとき,㋓の面積は何㎠ですか。
(㋒+㋐):(㋓+㋑)=(青の面積):(緑の面積)=2:1
より
㋓+1=(2+3)÷2=2.5㎠
㋓=1.5㎠
等積変形など普段の勉強がそのまま点数につながります。
確実に稼げるようにがんばりましょう。(畠田)
四天王寺中学校 入試分析 算数 2018(H30)
今回は四天王寺中学校です。
入試データですが医志コースは合格点に達していなくても英数Ⅰ・Ⅱの変更合格があるので英数ⅠまでのラインとⅡまでのラインと医志までのラインで分析します。
医志コースと英数Ⅰ・Ⅱ合算
受験者数621 合格者数471 実質倍率1.31 合格最低点236/400
医志コースと英数Ⅱ合算
受験者数621 合格者数296 実質倍率2.10 合格最低点269/400
医志コース
受験者数459 合格者数77 実質倍率5.96 合格最低点308/400
各教科の平均点は
(科目,受験者平均,合格者平均,最高点,満点)
(国語,79,82,107,120)
(社会,58,60,78,80)
(算数,85,91,114,120)
(理科,43,46,75,80)
で医志コースと英数ⅠⅡまでの合算なので合格者平均がほとんど意味がないですが合格者最高点と受験者平均の得点率を計算すると
(科目,受験者平均,最高点)
(国語,66%,89%)
(社会,73%,98%)
(算数,71%,95%)
(理科,54%,94%)
算数は得点率の高い争いでミスが許されなかったであろうと言うことがわかります。
それでは差がついたであろう場合の数の問題を扱います。
(問題)H30 四天王寺中学校 算数 大問6番
Aさんの箱には[1],[3],[5],…,[19]の奇数が書かれた10枚のカードが,Bさんの箱には[2],[4],[6],…,[20]の偶数が書かれた10枚のカードが入っています。これらを使って2人でゲームをします。
ルール
(ア) 2人同時に自分の箱からカードを1枚ずつ取り出す。
(イ) 数の大きいカードを出した人がその2枚のカードをもらい,自分の箱に入れる。
(ウ) 自分の箱に入っているカードの数の合計をそれぞれの得点とする。
① ゲームを始める前の,AさんとBさんの得点はそれぞれ何点ですか。
② 1回目にAさんが[11],Bさんが[6],2回目にAさんが[3],Bさんが[14],3回目にAさんが[6],Bさんが[2]を取り出しました。
3回目が終わったときのAさんの得点は何点ですか。
③ 2回目が終わったとき,2人の得点が等しくなりました。このような2人のカードの取り出し方は何通りありますか。
①,②は簡単に書きます
①Aは1から19までの10個の奇数の和なので
(1+19)×10÷2=100点
Bは2から20までの10個の偶数の和なので
(2+20)×10÷2=110点
②Aさんの得点のうつりかわりは
100→106→103→105
なので105点
この時Bさんも105点ですね
③二人の得点が同じなのは105点になったときなので
2回でAさんが100点から+5で105点になる場合のことになります。
+5は奇数で
(偶数)+(偶数)=(偶数),(偶数)+(奇数)=(奇数),(奇数)+(奇数)=(偶数)より2回で奇数の点増加するにはAが
1回目奇数の点増減,2回目偶数の点増減
1回目偶数の点増減,2回目奇数の点増減
の場合に限ります。
1回目偶数の点増減,2回目偶数の点増減
1回目奇数の点増減,2回目奇数の点増減
の場合はないので1回目にもらったカードを2回目に渡すことはありません。
なので整理するとAが
1回目失点,2回目得点
1回目得点,2回目失点
の場合を考えたらよいことがわかります
(i)Aが1回目失点,2回目得点
1回目-1,2回目+6の時
1回目(A,B)=(1,2か4か6か8か10か12か14か16か18か20)の10通りで
Aのカードは3,5,7,9,11,13,15,17,19で1なし
Bのカードは2,4,6,8,10,12,14,16,18,20ともらった1
2回目(A,B)=(7か9か11か13か15か17か19,6)の7通りで合計10×7通り
1回目-3,2回目+8の時
1回目(A,B)=(3,4か6か8か10か12か14か16か18か20)の9通り,2回目(A,B)=(9か11か13か15か17か19,8)の6通りで合計9×6通り
1回目-5,2回目+10の時
1回目(A,B)=(5,6か8か10か12か14か16か18か20)の8通り,2回目(A,B)=(11か13か15か17か19,10)の5通りで合計8×5通り
以下規則性から同様にして合計
10×7+9×6+8×5+7×4+6×3+5×2+4×1=224
(i)Aが1回目得点,2回目失点
1回目+6,2回目-1の時
1回目(A,B)=(7か9か11か13か15か17か19,6)の7通りで
Aのカードは1,3,5,7,9,11,13,15,17,19ともらった6
Bのカードは2,4,8,10,12,14,16,18,20で6なし
2回目(A,B)=(1,2か4か8か10か12か14か16か18か20)の9通りで合計7×9通り
1回目+8,2回目-3の時
1回目(A,B)=(9か11か13か15か17か19,8)の6通り,2回目(A,B)=(3,4か6か10か12か14か16か18か20)の8通りで合計6×8通り
1回目+10,2回目-5の時
1回目(A,B)=(11か13か15か17か19,10)の5通り,2回目(A,B)=(5,6か8か12か14か16か18か20)の7通りで合計5×7通り
以下規則性から同様にして合計
7×9+6×8+5×7+4×6+3×5+2×4+1×3=196
よって224+196=420通りとわかりました。
このように少し複雑な数える問題でも具体的に書きだして規則性を見つけるとミスなく数えられることができます。
練習して差をつけられたらいいですね。(畠田)
栄光学園中学校 算数 問題解説その2&入試分析★2018年(H30年)
今回は栄光学園中学校の問題をもう1問とりあげたくなったのでとりあげます。
(問題)H30 栄光学園中学校 大問2
1~10,2~11,…のような連続する10個の整数(1以上の整数)について考えます。
(1) ある連続する10個の整数の平均が34.5のとき,この10個の整数を下の例にならって答えなさい。
(答え方の例)
求めた10個の整数が1~10の場合:(1~10)
(2) 1~10の10個の整数を5個ずつ2つのグループに分け,それぞれの和を計算します。それらの値の差として考えられるものをすべて答えなさい。
(3) 連続する10個の整数を,5個ずつ2つのグループにどのように分けても,それぞれの和の値が等しくなることはありません。その理由を説明しなさい。
次に,連続する10個の整数を1つずつ,式( □+□+□+□+□)/(□+□+□+□+□)の□の中に入れ,この式の値を計算します。その値をXとすることにします。
例えば,9~18を(9+11+12+14+17)/(10+13+15+16+18)のように入れた場合は,
(9+11+12+14+17)/(10+13+15+16+18)=63/72=7/8なのでX=7/8となります。
(4) 考えられるXの値のうち,最も大きい値を答えなさい。
(5) Xの値が整数となるように,□の中に整数を入れなさい。一通りの場合だけ示せばよいものとします。
(6) X=11/14となるとき,□の中に入れた連続する10個の整数は何ですか。考えられるものをすべて求め,下の例にならって答えなさい。
(答え方の例)
求めた10個の整数が1~10と5~14の場合:(1~10) (5~14)
(1)連続する整数の和は
偶数個×(真ん中二つの平均)
奇数個×(真ん中の整数)
でした。
今回は10個の偶数個で真ん中二つの平均が34.5より真ん中二つは34,35です。
よって30,31,32,33,34,35,36,37,38,39の(30~39)とわかります
(2)このような問題はこれで解けるかはわかりませんが差が最大になるか、最小になる場合を考えてみたりします。
差が最大になるのは(1,2,3,4,5)と(6,7,8,9,10)でわかりやすいですね。
この差は5×5=25となります。
それではここから数字を交換すると差がどうなるかを実験してみることにします。
5と6を交換するときが一番変化が少ないので5と6を交換すると
(1,2,3,4,6)と(5,7,8,9,10)
小さい方の組が1増えて,大きい方の組が1減るので差は2減って23となります。
そしたら差が24は作れるか気になりますよね。
こういう場合は和を考えてみたり,奇数や偶数を考えてみるとわかることがあります。
2つのグループA,Bの和は1~10まで全て足せばよいのでA+B=55です。
これは奇数です。
2つの数の和が奇数であれば,差も奇数でした。
(※A+B=A-B+2×Bで(A+B)=(A-B)+(偶数)でA+BとA-Bの偶奇は同じ)
よって差が24になることはないので25の次に大きいのは23とわかりました。
今度は4と6を交換すると差は4減るので21
3と6を交換すると差は6減るので19
2と6は17
1と6は15
1と7は13
1と8は11
1と9は9
1と10は7
(1,5)と(6,10)は5
(1,4)と(6,10)は3
(1,3)と(6,10)は1
と色々な組み分けの仕方がありますが具体的に2ずつ減らせる例が作れるので
1,3,5,7,9,11,13,15,17,19,21,23,25とわかりました。
このように
最大や最小など考える
どう変化していくか調べていって
その値しか取れないことと(必要性),実際にその値がとれる例があること(十分性)
と言う流れで考えることで解きます。
(3) 前の問題が誘導になっていることがあります。(2)の場合では1~10では2つのグループの差が奇数なので0になることありませんでした。
連続する10個の整数でも同じようにできないかを考えます。
10個の連続する整数は奇数が5つ,偶数が5つあるので総和は
(奇数)×5+(偶数)=(奇数)
よって2等分することはできない。
(4) 10個の連続する整数から大きい方から5つを分子に、小さい方から5つを分子に入れたらよいことはわかると思います。
そしてどのような連続する10個の整数の場合かを考えます。
まずは今までの問がヒントになっていることから考えます。
2つのグループの差は大きくて25なので
(Xの分母)=△
(Xの分子)=△+25
の場合を考えることになります。
X=1+25/△
となるので△が小さい方がXは大きくなることがわかります。
△が一番小さくなるのは
(分母)=1+2+3+4+5=15
(分子)=6+7+8+9+10=40
の時よりX=15/40=3/8とわかります、
(5) さきほど書いたように
「最大や最小など考える
どう変化していくか調べていって
その値しか取れないことと(必要性),実際にその値がとれる例があること(十分性)」
の流れをやってみます。
(4)が誘導になっていてXの最大値は15/40=3/8よりXが整数になりうるのは1か2しかありません。
しかも(3)より二等分できなくて分母と分子を等しくすることができないから1はとれないので2の可能性しかありません。
と言うことは1+25/△=2より△=25とわかりました。
例えば連続する5個の整数の和が25になるパターンを考えると真ん中の値は25÷5=5より
(分母)=3+4+5+6+7
(分子)=8+9+10+11+12
の場合があります。
(6)同じように分子と分母の和や差を考えてみたりします。
そして具体的に値を書いていきます。
11+14=25より和は25の倍数で、しかも奇数なので奇数Aを使って
25×Aとあらわせます
連続する10個の整数は1+2+3+…+10=55よりA=1の25は無理です。
A=3のとき75になるのは真ん中2つの平均が75÷10=7.5より3~12
A=5のとき125になるのは真ん中2つの平均が125÷10=12.5より8~17
A=7のとき175になるのは真ん中2つの平均が175÷10=17.5より13~22
同様に,A=9:18~27,A=11:23~32,…
また差は14-11=3から3×Aとあらわせます。
A=3の時,3~12,差は9
A=5の時,8~17,差は15
A=7の時,13~22,差は21
A=9の時,18~27,差は27
A=11の時,23~32,差は33
…
さらに差は(2)より25以下の奇数は全て作ることができたので
A=3の時,3~12,差は9
A=5の時,8~17,差は15
A=7の時,13~22,差は21
で決まり
(3~12),(8~17),(13~22)
となります。
この問題はハイレベルな問題で必要な考え方や,論理を使います。過去問などで勉強して慣れていけば大丈夫です(畠田)
栄光学園中学校 算数 問題解説&入試分析★2018年(H30年)
今回は栄光学園中学校です。
受験者数は711人で合格者数286人の実質倍率2.49倍。
合格最低点143/240、合格者平均点156.7/240
各教科の平均点は(受験者平均点/合格者平均点)の順で
国語70点満点(40.4/46.2)
算数70点満点(36.0/44.1)
理科50点満点(22.2/27.0)
社会50点満点(36.6/39.4)
算数は6割5分が目標です!
今年も相変わらず難易度が高く、典型的な解き方と言うタイプではない問題でした。
それでは、気になるであろう問題をとりあげます
(問題)H30 栄光学園中学校 大問3
下の図のような,底面の半径が10cm,高さ20cmの円柱の容器と,底面の半径が5cm,高さ10cmの円柱のおもりA,底面の半径が4cm,高さ20cmの円柱のおもりBがあります。
様々な高さまで水が入った容器におもりAとBを入れたときの水位(水面の高さ)の変化について考えます。ただし,容器の底におもりの底面がぴったり重なるようにおもりを入れます。また,容器の厚さは考えないものとします。
小数点以下がある場合は,四捨五入をして小数第1位まで答えなさい、
(1) ある高さまで水が入った容器にAとBのおもりを入れたところ,下の図のように容器はちょうど満水になりました。容器にはもともとも何cmの高さまで水が入っていたか答えなさい。
(2) 6cmの高さまで水の入った容器にAとBのおもりを,まずA,その後でBの順に入れました。
① Aのおもりを入れると水位は何cmになるか答えなさい。
② Bのおもりを入れると水位は何cmになるか答えなさい。
(3) ある高さまで水が入った容器に,A,Bの順におもりを入れたときとB,Aの順におもりを入れたときとでは,2つ目のおもりを入れる前と後の水位の差が等しくなりました。容器にはもともと何cmの高さまで水が入っていたか答えなさい。求め方も書きなさい。ただし,水はあふれなかったもとします。
(1),(2)は典型的な普通の問題なので簡単に答えます。、
底面の比は
A:B:容器=5×5:4×4:10×10
=25:16:100
なので底面をそれぞれ25,16,100で扱います。
(1) 元から入っていた水の量を容器の底面で割ります
{(容器)-(Aの体積)-(Bの体積)}÷(容器の底面積)=(100×20-25×10-16×20)÷100
=14.3cm
(2)Aが完全に水中に入るか,上面が水面から出るかのどちらになるか注意する問題です。
どちらか予想して計算して,正しいか確かめてみる方法でやってみます。
① Aを入れたときAの上面が水面から出ていると予想すると底面が100から75になり100:75=4:3
6×4/3=8cm
これは10cmより小さいので適しています。
② ①では上面が水面から出ていないのでBを入れるとAは完全に水中に入ると予想してみます。
完全に水中に入るとすると
{(元の水の量)+(Aの体積)}÷{(容器の底面積)-(Bの底面積)}=(100×6+25×10)÷84
=10.11…
より10.1cm。
これは10cmより大きいので適しています。
(3)
○A,Bの順に入れるときに
(i)1つ目Aを入れると完全に水中
(ii)1つ目Aの上面が水面から出ていて2つ目Bを入れるとAが完全に水中
(b)1つ目Aの上面が水面から出ていて2つ目Bを入れるとAの上面が水面から出てる
3パターン×2パターン=6パターンの場合分けが必要なようにみえます。
解けるかもしれませんが,しんどすぎます。
そういうときは順に考えるよりも最初と最後の状態を考えてみる方法があります。
最初にどちらの場合も同じだけ水が入っていて,最後もどちらの場合もAもBを入れているので
「最後の水面の高さが同じ」
になります。
そして2つ目のおもりを入れる前後の水位の差が同じだったということは,
「1つ目のおもりを入れたときも同じ水位」
だということがわかります。
と言うことは話を整理すると
「1つ目A入れたときと,1つ目B入れたとき,どちらも水位の上昇が同じ」
ということになります。
するとAよりBの方が底面積が小さくBは上面は水面から必ず出ていているので,Aは完全に水中に入る場合に決まります。
○1つ目Aのとき
Aの体積だけ水面が高くなるので25×10÷100=2.5cm上昇
○1つ目Bのとき
(Bの底面積):(容器の底面積-Bの底面積)=16:(100-16)
=4:21
よりBを入れたことにより水面が④cm上昇で,元の高さ㉑cmとおけて
AだけとBだけの時で同じだけ水面が上昇したので
④=2.5cm
よって元の高さは
㉑=2.5×21/4=13.125
より13.1cmとわかりました
典型的な解き方と言う感じではありませんが,最初と最初の状態を考えるなどの思考はよく使います。
考え方を勉強していけば,栄光のこのような問題にも手をつけられるように成長します(畠田)
聖光学院中学校 算数 問題解説&入試分析★2018年(H30年)
今回は聖光学院をとりあげます
第1回は受験者数は640人、合格者数は240で実質倍率は2.67倍
科目別得点結果は(科目,満点,平均点,合格者平均,合格最低点)の順に
(国語,150,104.2,93.8,69)
(算数,150,94.1,117.0,62)
(理科,100,65.9,72.9,49)
(社会,100,68.8,74.1,56)
(合計,500,32.5,368.3,341)
です。
やはり算数が受験平均と合格者平均の差が大きいですが,差をつけやすそうな問題だと思います。
それでは実力の差が出そうな旅人算の問題です。
(問題)H30 聖光学院中学校 大問3
聖さんと光さんがP地点からQ地点に向かって,同時に同じ速さで出発しました。光さんは途中で忘れ物に気づき,そのままの速さですぐにP地点に向かって戻りました。学さんは光さんが忘れ物に気づいて6分後に,光さんの忘れ物を持って,P地点からQ地点に向かって出発しました。その後しばらくすると,学さんは戻ってきた光さんと出会い,2人は一緒に学さんが歩いてきた速さでQ地点に向かって進みました。学さんの歩く速さは聖さんの歩く速さと同じだったので,光さんと学さんがQ地点に到着したのは,聖さんがQ地点に到着してから22分後になりました。
もし,学さんの歩く速さが聖さんの歩く速さの5/3倍で,光さんと学さんが出会った後,2人が一緒に学さんが歩いてきた速さでQ地点に向かって進んだとすると,光さんと学さんがQ地点に到着するのは聖さんがQ地点に到着してから24秒後になります。また,学さんの歩く速さが聖さんの歩く速さよりも1分あたり20m速く,光さんと学さんが出会った後,2人が一緒に学さんが歩いてきた速さでQ地点に向かって進んだとすると,光さんと学さんがQ地点に到着するのは聖さんがQ地点に到着してから10分後になります。
このとき,次の問いに答えなさい。
(1)光さんと学さんが出会ったのは,聖さんと光さんがP地点を出発してから何分後ですか。
(2)聖さんがQ地点に到着したのは,学さんがP地点を出発してから何分後ですか。
(3)P地点からQ地点までの距離は何kmですか。
(1)ダイアグラムか状況図かと言うところです。
ダイアグラムでも大丈夫ですが、そんなに複雑ではないので状況図で書いてやってみます。
まず最初の速さが3人とも同じの場合を考えます。
同じ時刻のところは同じ印をつけます。
旅人算では何が一定なのかを考えることが大切です。
3人とも速さは同じで距離が時間に比例するので、距離を時間で考えることができます。
PQは青+緑ですが学さんの□からQまでは22分より青は22分に対応します。
光さんの×からRまで6分より,○からRまでは22-6=16分
よってから△の紫2つは16-6=10分より紫1つは5分に対応します。
したがって光さんと学さんが出会ったのは○から△までの時間で16+6+5=27分後とわかります。
(2)同じように旅人算では何が一定なのかを考えます。
聖さんと学さんが進む距離がPQで同じなので、速さの比と時間の比は逆比です。
速さの比は
聖:学=1:5/3=3:5より
PQにかかる時間の比は
聖:学=5:3
なのでPQを進むのに聖のかかる時間⑤分,学のかかる時間③分とおけます。
時間の差⑤-③=②分は22-24/6=108/5分より
②=108/5
①=54/5
よって聖さんのPQ進むのかかる時間は⑤=54分,求める緑にかかる時間は54-22=32分とわかりました。
(3)同じく何が一定なのかに注目します。
聖さんと学さんは同じPQを進みます。
PQを進むのにかかる時間の比は
聖:学=54:(54-22+10)
=54:42
=27:21
速さの比は逆比で
聖:学=21:27
よって聖の速さ㉑m/分,学の速さ㉗m/分とおけてこの差㉗-㉑=⑥は20m/分より
⑥=20から
①=10/3
聖の速さは㉑=70m/分
よってPQは70×54=3780mつまり3.78kmとわかりました。
がっちりと旅人算で使う考え方がはまる問題です。
同じ時刻は同じ印をつける,距離,速さ,時間の何が一定なのかを考えることを意識して練習して合格点を狙いにいきましょう。(畠田)
フェリス女学院中学校 算数 問題 解説&入試分析★2018年(H30年)
フェリス女学院を取り上げます。
2018年度の受験者数は386人で合格者196人、倍率は1.97倍です。
平均点は
国語:60/100
算数:48/100
社会:38/60
理科:35/60
と例年のように算数が低く、勉強すればとれる問題が多いので他の受験生に大きな差をつけやすい教科でもあります。
それでは図形の回転の理解が深まりそうな問題をとりあげます。
(問題)H30年 フェリス女学院中学校 第3問
四角形ABCDを,(あ)図のように矢印の向きに回転させ,四角形EFGDと重なるように動かすことを,「四角形ABCDを点Dのまわりに,時計まわりに90°回転させる」といいます。次の[ア],[イ],[ウ]にあてはまる数をそれぞれ求めなさい。
(1)(い)図は,ある四角形を点Oのまわりに,時計まわりに90°回転させるとき,その四角形が通るところを表したものです。曲線⌒PRは点Oを中心とする円の一部です。3つの点Q,O,Rは一直線上にならんでいます。また,直線PQの長さと直線QOの長さは等しいです。この四角形の角のうち,最も小さい角の大きさは[ア]°です。
(2)(い)図は,(1)とは別の四角形を点Oのまわりに時計まわりに[ ]°回転させたとき,その四角形が通ったところを表したものと考えることができます。[ ]にあてはまる数のうち,最も小さいものは[イ]で,そのときの四角形の角のうち,最も小さい角の大きさは[ウ]°です。
平面図形の回転のポイントの一つは端に注目します。
図のように回転して通るところの端に元の図形の端の形があらわれます。
回転して青の実線は青の破線に,赤の実線は赤の破線になります。
(1)
図のように左の端は青の実線のOQとOP,右の端は赤の破線ORの部分の形になります。
赤の破線を90°逆に回転させて元に戻してOR’を考えます。
すると元の図形はPとR’を直線で結んで四角形OR’PQとなることがわかります。
∠POR’=90°-30°=60°
と
OP=OR’
より△OR’Pは正三角形となるので最も小さい角の大きさは∠OR’P=60°とわかります。
(2)
(1)の図形では図のように緑の扇形の弧R’P’の部分が重なっているので,ここが重ならない(P’とR’が同じ点になる)ように回転させたら良さそうです。
つまり90°回転から30°÷2=15°ひいて75°回転を考えます。
すると図より
∠POP’=75°
OP=OP’
から最も小さい角の大きさは∠OP’P=(180-75°)÷2=52.5°となります。
フェリス女学院はどういう解き方をしたら良いかを求められる問題をよく出します。
しっかり過去問で練習していきましょう!(畠田)
慶應義塾中等部 算数 問題 解説&入試分析★2018年(H30年)
今回は慶應義塾中等部です。
問題の難易度は高くないので男子なら8割5分、女子なら9割を目標にしましょう。
標準的な問題を早く正確に処理することが求められます。
(問題)H30年 慶應義塾中等部 大問7
同じ大きさの正三角形のタイルが140枚あります。このタイルをすき間なく並べて、正三角形または正六角形をつくります。[図1],[図2]はそれぞれ4枚、6枚のタイルを使ってつくった例です。
次の[ ]に適当な数をいれなさい。
(1)できるだけ大きな正三角形をつくるとき、タイルは全部で[ ]枚使います。
(2)できるだけ多くのタイルを使って、正三角形と正六角形を1つずつつくるとき、正三角形をつくるのに使うタイルは[ア]枚、正六角形をつくるのに使うタイルは[イ]枚です。
(1)
まずは手を動かして正三角形になる場合を書いてみて実験してみます。
小さいものから順に1枚,4枚,9枚,16枚となっていくので平方数であることがわかります。
よって140枚をこえない最大の平方数を考えて11×11=121枚です。
(2)
今度は正六角形になる場合はどんな場合か書いてみて実験してみます。
すると,正三角形の6倍であることに気付いてきます。
正六角形は(平方数)×6枚と言うことになります。
正三角形と正六角形の枚数が140をこえない場合を考えることになりますが,正六角形の枚数である(平方数)×6の方が荒いのでこちらの値で場合分けすることにします。
(1×1)×6=6枚,(2×2)×6=24枚,(3×3)×6=54枚,(4×4)×6=96枚
で(5×5)×6=150は140を超えて4パターンの値しかありません。
●正六角形の枚数が6枚の時
残り140-6=134枚
最大になる正三角形は11×11=121枚
余ったタイルは134-121=13枚
●正六角形の枚数が24枚の時
残り140-24=116枚
最大になる正三角形は10×10=100枚
余ったタイルは116-100=16枚
●正六角形の枚数が54枚の時
残り140-54=86枚
最大になる正三角形は9×9=81枚
余ったタイルは86-81=5枚
●正六角形の枚数が96枚の時
残り140-96=44枚
最大になる正三角形は6×6=36枚
余ったタイルは44-36=8枚
以上より余ったタイルが5枚の場合が一番少なく
正三角形が81枚、正六角形が54枚となります。
このような処理能力を求められてる学校の問題では、考えて悩むのではなく、手を動かして書いてみて掴んでいきましょう(畠田)
渋谷教育学園幕張中学校 算数 問題 解説&入試分析★2018年(H30年)第1回
今回は渋谷教育学園幕張中学の一次をとりあげます。
2018年度は
受験者、男子1411人、女子593人、計2004人
合格者、男子520人、女子191人、計711人
倍率は2.8となっています。
各教科の平均点は(受験者平均点,合格者平均点)の順で
国語(50.3,59.7)
算数(48.9,59.2)
社会(36.8,42.5)
理科(29.3,38.9)
合格最低点が179/350
相変わらず難易度の高い問題が多いですが、渋幕としては例年程度だったと思います。
難関校に多そうな立体図形の切断の問題をとりあげます。
渋谷教育学園渋谷中学2018年で立方体を切断しましたが、それの直方体版です。
(問題)H29年 渋谷教育学園幕張中学校 第1回 大問5
図のような直方体があり、辺AB上に点Pを、辺BC上に点Qを、PBとQBの長さがどちらも2cmになるようにとります。
また、辺EF上に点Rを、辺FG上に点Sを、RFとSFの長さがどちらも6cmになるようにとります。4つの点P,Q,R,Sを通る平面でこの直方体を切り、点Aを含むほうの立体を(あ)とします。
このとき、次の各問いに答えなさい。
ただし、角すいの体積は、(底面積)×(高さ)÷3で求められるものとします。
(1)立体(あ)の体積は何㎤ですか。
(2)立体(あ)を面PRSQが底面になるように平らなゆかの上におきます。このとき、点Dはゆかから何cmの高さにありますか。
(1)
直方体の体積から図の赤の実線部分の三角すいTPBQの体積を引きます。
小さい三角すいTPBQと大きい三角すいTRFSの相似比は
2:6=1:3
です。
大きい三角すいの高さTF=BF×3/(3-1)=12cmで
体積比は
(大きい三角すい):(赤の実線部分)=3×3×3:(3×3×3-1×1×1)=27:26
より
(赤の実線部分)=(大きい三角錐すい)×26/27=△FRS×TF×1/3×26/27=208/3㎤
よって
(あ)=8×12×10-208/3=2672/3㎤
(2)平面PRSQを底面と考えたときの点Dの高さを求めなさいと言う問題になります。
色々な解法が考えられそうですが,
(1)で考えた小さい三角すいTPQBは1:1:2です。
これは赤の三角形の面積が展開図を考えれば求まる有名な三角すいです
もちろん体積もわかるので,赤の三角形を底面と考えると,高さもわかります。
赤の三角形は平面PRSQ上にあるので,底面PRSQに対して点Bの高さが求まることになります。
点Dの高さを求めるには,点Bの高さが使えないかを考えてみることにします。
まず点Bの高さを求めていくと
(赤の三角形の面積)=(正方形)-(青の三角形)-(黄の三角形)-(緑の三角形)
=4×4-2×4÷2-2×2÷2-2×4÷2=6㎠
(小さい三角すいの体積)=2×2÷2×4÷3=8/3㎤
よって赤の三角形を底面としたときの高さは8/3×3÷6=4/3cm
ここで一つの方法として点Dと点Bの高さの比を考えてみます。
図のように平面PRSQで平行な面で等間隔になるようにスライスすると
点Bから平面PRSQまでは1つ,点Dから平面PRSQまでは10つ層があるので
(点Dの高さ):(点Bの高さ)=10:1
であることがわかります。
実際には
上面において相似比
(赤と直角二等辺三角形):(青の直角伊藤辺三角形)=AP:UB=10:1
から10:1と計算すればよいです。
よって
4/3×10=40/3cm
とわかりました。
渋幕の立体図形の問題は難しいですが,典型的な解法で解けるには解けます。
色々な学校の立体図形の問題で練習して使えるようにしておきましょう(畠田)
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