灘中学校、算数2日目をとりあげます。
受験者平均が(H24)71.4⇒(H25)54.9⇒(H26)49.7⇒(H27)52.7⇒(H28)50.8⇒(H29)48.4⇒(H30)54.8
合格者平均が(H24)86.2⇒(H25)70.3⇒(H26)63.9⇒(H27)64.6⇒(H28)61.2⇒(H29)62.4⇒(U30)69.2
受験者平均,合格者平均ともに例年より高めで,ここ最近ではこの差は大きめです。
それでは,最後に焦りそうな問題を一つとりあげたいと思います。
(問題)H30 灘中学校・2日目算数 大問4番の問2
1辺の長さが5cmの立方体のブロックが2種類あります。一方は光を通す透明なブロックで,もう一方は光を通さない黒いブロックです。また,図1は,光を通す6枚の正方形の板で囲まれた,1辺の長さが15cmの立方体の箱です。面ABCDの板だけふたになっています。
ふたを外して箱の中に2種類のブロックを合わせて27個入れるとき,それぞれのブロックが箱の中にどの位置にあるかを表す記号を次のように定めます。まず,1つの頂点がEにあるブロックの位置を1-1-1という記号で表します。次に,1-1-1を基準にして,EからFに向かう方向にx個目,EからHに向かう方向にy個目,EからAに向かう方向にz個目にあるブロックの位置をx-y-zという記号で表します。例えば,3-2-1の位置は図2の通りです。
(1)ふたを外して箱の中に2種類のブロックを合わせて27個入れたのち,ふたを閉じ,面EFGHが床に触れるように箱を水平な床の上に置くと,図1のADに平行な矢印の方向から見ても真上から見ても,図3のように見えました。黒く見える部分を斜線で表しています。
(ア)黒いブロックが必ず入っている位置を表す記号をすべて,解答欄に記入しなさい。ただし,1つの解答欄には1つの位置を表す記号を記入しなさい。また、解答欄をすべて使うとは限りません。
[ ][ ][ ][ ][ ]
[ ][ ][ ][ ][ ]
(イ)(ア)で答えた位置以外に,黒いブロックが入っている可能性がある位置を表す記号をすべて答えなさい。ただし,1つの解答欄には1つの位置を表す記号を記入しなさい。また,解答欄をすべて使うとは限りません。
[ ][ ][ ][ ][ ]
[ ][ ][ ][ ][ ]
(ウ)箱の中にある黒いブロックの個数は最大で[ ]個,最小で[ ]個です。
(エ)箱の中の黒いブロックの配置として可能なものは全部で[ ]通りあります。
(2)図4のように,箱の頂点Dにひもをつけてつるし,箱を床から離します。このとき,光を真上から当てたときに床にできる影を考えます。
(ア)図2の1-1-1,3-2-1の2つの位置に黒いブロックを入れ、その他の位置に透明なブロックを入れます。床にできる影のうち,3-2-1の位置にある黒いブロックの影は図5の斜線部分のような正六角形になります。1-1-1の位置にある黒いブロックの影を図5にかき入れなさい。ただし,影のふちを太くなぞり,内側を斜線で示しなさい。
(イ)箱を水平な床の上に置くと,ADに平行な矢印の方向から見ても真上から見ても,図3のように見えるようにブロックを箱に入れる場合を再び考えます。その中で箱の中にある黒いブロックの個数が最大の場合について,床にできる影を(ア)と同じように図6にかき入れなさい。
そのまま立体のまま考えても解ける人は解けると思いますが、焦ってくると混乱してきて頭がおかしくなりそうになります。
そこで問題文で1-1-1や3-2-1のように黒いブロックを座標のように表しているので座標のように考えて解いてみることにします。
立方体の頂点の影に対応する記号を記入し、図のように立方体にx軸,y軸,z軸をとると、ぞれぞれの軸の影は図のようになります、
そして,1-1-1の立方体の影は紫のようになります。
そこで1-1-1を影においてx軸に1,y軸に1,z軸に1進ませた青い点に対応させます。
すると青い点は正六角形の右下の頂点になります。
(2)(ア)
1-1-1と3-2-1は影においてそれぞれ進ませると青い点になるので
これが右下の頂点になるように正六角形を描きましょう。
(イ)
(1)から1-2-2,3-2-2,2-1-1,2-3-1,2-1-3,2-3-3でそれぞれ影において進ませて青い点を記入すると
「(y軸に1進ませること)+(z軸に1進ませること)」=「x軸に1進ませること」の関係が影響し
1-2-2と2-1-1
3-2-2と2-3-3
が同じ点となり図の4つの青い点になります。
これが右下の頂点になるように正六角形を書いてください。
ややこしくなりそうな問題でも、問題文がヒントになっていたりすることもあります。
そしてこのような移動や影の問題では、頂点の1点だけに注目することなどの考え方も練習していけば点数につながるので色々な問題に触れて考え方を吸収していきましょう!(畠田)