今回は栄光学園中学校です。
受験者数は711人で合格者数286人の実質倍率2.49倍。
合格最低点143/240、合格者平均点156.7/240
各教科の平均点は(受験者平均点/合格者平均点)の順で
国語70点満点(40.4/46.2)
算数70点満点(36.0/44.1)
理科50点満点(22.2/27.0)
社会50点満点(36.6/39.4)
算数は6割5分が目標です!
今年も相変わらず難易度が高く、典型的な解き方と言うタイプではない問題でした。
それでは、気になるであろう問題をとりあげます
(問題)H30 栄光学園中学校 大問3
下の図のような,底面の半径が10cm,高さ20cmの円柱の容器と,底面の半径が5cm,高さ10cmの円柱のおもりA,底面の半径が4cm,高さ20cmの円柱のおもりBがあります。
様々な高さまで水が入った容器におもりAとBを入れたときの水位(水面の高さ)の変化について考えます。ただし,容器の底におもりの底面がぴったり重なるようにおもりを入れます。また,容器の厚さは考えないものとします。
小数点以下がある場合は,四捨五入をして小数第1位まで答えなさい、
(1) ある高さまで水が入った容器にAとBのおもりを入れたところ,下の図のように容器はちょうど満水になりました。容器にはもともとも何cmの高さまで水が入っていたか答えなさい。
(2) 6cmの高さまで水の入った容器にAとBのおもりを,まずA,その後でBの順に入れました。
① Aのおもりを入れると水位は何cmになるか答えなさい。
② Bのおもりを入れると水位は何cmになるか答えなさい。
(3) ある高さまで水が入った容器に,A,Bの順におもりを入れたときとB,Aの順におもりを入れたときとでは,2つ目のおもりを入れる前と後の水位の差が等しくなりました。容器にはもともと何cmの高さまで水が入っていたか答えなさい。求め方も書きなさい。ただし,水はあふれなかったもとします。
(1),(2)は典型的な普通の問題なので簡単に答えます。、
底面の比は
A:B:容器=5×5:4×4:10×10
=25:16:100
なので底面をそれぞれ25,16,100で扱います。
(1) 元から入っていた水の量を容器の底面で割ります
{(容器)-(Aの体積)-(Bの体積)}÷(容器の底面積)=(100×20-25×10-16×20)÷100
=14.3cm
(2)Aが完全に水中に入るか,上面が水面から出るかのどちらになるか注意する問題です。
どちらか予想して計算して,正しいか確かめてみる方法でやってみます。
① Aを入れたときAの上面が水面から出ていると予想すると底面が100から75になり100:75=4:3
6×4/3=8cm
これは10cmより小さいので適しています。
② ①では上面が水面から出ていないのでBを入れるとAは完全に水中に入ると予想してみます。
完全に水中に入るとすると
{(元の水の量)+(Aの体積)}÷{(容器の底面積)-(Bの底面積)}=(100×6+25×10)÷84
=10.11…
より10.1cm。
これは10cmより大きいので適しています。
(3)
○A,Bの順に入れるときに
(i)1つ目Aを入れると完全に水中
(ii)1つ目Aの上面が水面から出ていて2つ目Bを入れるとAが完全に水中
(b)1つ目Aの上面が水面から出ていて2つ目Bを入れるとAの上面が水面から出てる
3パターン×2パターン=6パターンの場合分けが必要なようにみえます。
解けるかもしれませんが,しんどすぎます。
そういうときは順に考えるよりも最初と最後の状態を考えてみる方法があります。
最初にどちらの場合も同じだけ水が入っていて,最後もどちらの場合もAもBを入れているので
「最後の水面の高さが同じ」
になります。
そして2つ目のおもりを入れる前後の水位の差が同じだったということは,
「1つ目のおもりを入れたときも同じ水位」
だということがわかります。
と言うことは話を整理すると
「1つ目A入れたときと,1つ目B入れたとき,どちらも水位の上昇が同じ」
ということになります。
するとAよりBの方が底面積が小さくBは上面は水面から必ず出ていているので,Aは完全に水中に入る場合に決まります。
○1つ目Aのとき
Aの体積だけ水面が高くなるので25×10÷100=2.5cm上昇
○1つ目Bのとき
(Bの底面積):(容器の底面積-Bの底面積)=16:(100-16)
=4:21
よりBを入れたことにより水面が④cm上昇で,元の高さ㉑cmとおけて
AだけとBだけの時で同じだけ水面が上昇したので
④=2.5cm
よって元の高さは
㉑=2.5×21/4=13.125
より13.1cmとわかりました
典型的な解き方と言う感じではありませんが,最初と最初の状態を考えるなどの思考はよく使います。
考え方を勉強していけば,栄光のこのような問題にも手をつけられるように成長します(畠田)